2014年08月25日 10時37分更新
「物言わぬ株主」と言われてきた生命保険会社が、株主総会での議決権行使によって投資先への経営関与を強めています。
これって、凄い脅威ですよね。
元々、色々な企業の株式を生命保険会社が所有し、安定株主として存在し続け、代わりに企業の職域マーケットを牛耳っていた訳ですが、個人情報保護法から職域への自由な出入りが禁じられ、何のために所有しているのか分からないという感じでしたが、いよいよ大株主としての発言権を高めようとしています。
第一生命保険は大手生保で初めて、投資先の上場企業の議案にどう賛否を投じたかを公表することを決定。18兆円もの株式を保有する生保が投資先の剰余金処分などの監視を強めれば、企業に増配などを促すきっかけとなりそうだと新聞が報じていました。
生保が「物言う株主」に転じ始めた契機は、機関投資家の行動規範を定めた「日本版スチュワードシップ・コード」の導入。2月に金融庁が指針をまとめ、大手生保が一斉に導入を表明しました。
これまでも生保は取締役選任などの議案に賛成するか否認するかの内部基準がありましたが、議案の賛否数などはほとんど公表していませんでした。生保の株式保有は資産運用の面だけでなく、保険商品を投資先に売るための「営業ツール」としての側面もあったためです。
生保は国内上場企業の発行済み株式の4%にあたる株式を保有し、取締役の選任などで議決権を行使すれば企業への影響は大きいですよね。
例えば第一生命は今年から取締役会のなれ合いを防ぐ目的で「在任12年を超す監査役の再任には反対票を投じる」ことにしました。
他にも経営状態の悪い企業が買収防衛策を導入しようとすれば、これにも反対票を投じるとのこと。今年の株主総会では投資先の約2000社の議案のうち10%弱に反対したとのこと。月末にはさらに「取締役の選任」「剰余金の処分案」など議案ごとの賛否数を公表し、企業に経営改善を働きかけるそうです。
これにより国債の利回り低迷で運用実績が伸び悩む生保が保有株の投資価値を高めることにより経営の土台を盤石にしようと画策してくると予想されます。
日本生命保険なども賛否数の公表まで踏み込まないが、投資先への経営関与にカジを切るとのこと。
生保の関与が強化されれば、マーケットがどう動くか?!
「ザ・生保」の復活が近づいている感じがしますね。
保険代理店も日本社との結びつきを強化していく対策を講じないとダメですね。
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