2012年11月26日 10時26分更新
保険毎日新聞に「自殺・孤独死・他殺の際に賃貸住宅戸室が汚損された場合の清掃費用及び家賃保証が出る保険を販売しているアイアル少額短期保険株式会社で初の保険金支払い」との見出しを発見しました。
アイアル少額短期保険株式会社が昨年開発し販売しているこの保険は、賃貸住宅のオーナーや管理会社を契約者に、入居している方が自殺・孤独死・他殺され、結果、貸している戸室が汚損された際の「清掃費用、遺品整理費用」と「1年間の家賃保証」が出来るというもの。
ミサワホーム等との代理店契約をするなどして販売を拡大してこられましたが、初の保険金事故発生となったようです。
最近は結婚をされない方も多く、また奥様に先立たれて残された高齢のご主人は引きこもりとなり、部屋がゴミ部屋化しているといったニュースも良く見るようになりました。
人と人との関係が希薄になった現代社会を象徴するような現象ですが、賃貸住宅オーナーにとっては、部屋が汚損されるため、その対応費に大きな出費がかさみ、しかも遺族の方は遺品の引き取りを拒否されるケースが多く、遺品整理費用までかかることもあります。
こうした費用を100万円を上限に補償し、更にこの部屋に次に入る方が見つかるまで時間がかかることが想定されますので、次入居者が入られるまで、1年間の期限付きで200万円を上限に家賃保証まで出来るという優れものの保険です。
1戸室あたり月払いで300円程度と安価な保険料設定となっていますので、ご関心あおりの方は照会されることをお勧めします。
で、当該保険で初の保険事故発生との記事を発見しました。
上記のように保険金支払いは清掃費用等で100万円上限にて今回の事故で100万円の支払いが発生したと想定出来ます。
1戸室300円程度の保険料ですから、年間保険料3600円程度と換算して、100万円の支払いは280戸室相当分となります。
更に家賃保証が発生しますが、仮に家賃が毎月15万円で次入居者が決まるまで7カ月を要したとすると支払いは105万円となり、292戸室分の保険料が消えて行くことになります。合計で実に600戸室弱の年間保険料が支払いに回る単純計算となります。
こうした社会性の高い保険商品が世に出ることは大歓迎ですが、交通事故の様に事故を減少させる取り組み同様に、自殺・孤独死そのものを減少させる取り組みを社会全体で取り組んで行かないと保険そのものが赤字となってしまう危惧がありますね。
こうした社会性の高い保険商品は、少額短期保険業界から多く世に出ていますが意外と売れていないのが実態。小さな保険会社なので、広告宣伝費もなく小人数のスタッフで運営しているため担当者が全国を駆け回って販売しなければならないという時間的ロスもあって売れないのです。
しかし、こうした保険に挑戦することが少額短期保険業界の使命だと考えますので、頑張ってもらいたいと思います。
当該保険に関心がある方はアイアル少額短期保険株式会社に照会してみて下さーい。
前の記事
次の記事