2017年08月10日 18時48分更新
無担保・無保証の「芸者ローン」をご存知でしょうか。
新宿区四谷に本部を構える第一勧業信用組合が取り扱っている事業性ローン、その名を「芸者ローン」と言います。
対象は勿論「芸者さん」で、自分の小料理屋などを開く際の開業資金を融資しているのです。
芸者さんというと、金融はお金を貸さない「金融排除」対象だと思います。
従って、「無担保・無保証」であり、ローン実行の可否を決定づけるのは、「お金を借りる芸者さんの人物評価」になります。
究極の事業性評価と言ってもいいのではないでしょうか。
そのために、同信用組合では東京都内にある6地域の花街にある料亭などを運営している組合の6人の組合長を「総代(そうだい)」に招き入れています。
「総代」というのは、信用組合の独特の制度で、株式会社の株主の代表者にあたります。
同信用組合は「組合員からの紹介」をローン利用の条件としており、総代となった組合長による紹介を人物評価の軸に据えて、芸者ローンを提供しています。
まさに「創業支援」。
担保がなければお金は貸せない銀行員ではなく、目利きバンカーですよね。
通常、事業性融資を受ける際の手続きは3期分の決算書をそろえるところから始まるが、新たに起業する場合には、そんな決算書があるはずはないですし、若者による事業開始となれば、資金も担保も持ち合わせていないのが実態。
そこで、同信用組合は創業時の支援策として、創業希望の人たちを組織化し、同組合の職員がそのメンター(指導者)として支援する仕組みを作っています。
しかも、資金提供は、創業赤字で債務超過になる部分には出資で応じ、売掛金や在庫などの運転資金需要にはローンで対応するという二段構え。
そのために、信用組合としてはきわめて珍しい取り組みとして、2015年12月に「かんしん未来ファンド」と名付けたファンドを組成しています。
このほか、創業支援策として、東京都が設置した「女性・若者・シニア創業サポート」のローン制度もフル活用しています。
信組としては突出した展開ですよね。
当該信組理事長は「当たり前のことをやっているだけ」と発言されています。
我々、保険代理店も、顧客目線で、当たり前のことを当たり前にやって行きましょうー。
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