2017年06月01日 17時42分更新
最近、生保会社の海外戦略がメディアで目に付くようになりました。
お気づきでしょうか。
例えば、タイ。
東南アジアの新興国で最も保険浸透度が高いタイは損保も含む保険料収入で、2015年に国内総生産(GDP)比5.5%と1990年の1.6%から飛躍的に伸びています。
タイでは、何と日本生命が24%出資するバンコクライフで「生保レディー」制度を導入しています。営業職を40人雇用し、日本と同じように各担当者が特定企業を毎日訪問するほか、セミナーを開催したり、パンフレット配布したりいます。
営業拠点では毎朝朝礼が行われ、個人の営業成績を示すグラフなどが掲示されなど「日本流」を武器に新たな顧客を掘り起こそうとしています。
興味深いですよね。
しかも、このバンコクライフは、カンボジアでも営業を展開し始めました。
そして、中国。
ここでも日本生命が富裕層を主な対象とした医療保険を売り出しました。
加入者ががんになった場合、追加費用なしで、「日本で治療を受けられる保障」がついているのが特徴。中国ではがん患者の増加に伴い、日本での治療を希望する人が増えているといるとのことで、外国人に高度医療を提供する医療ツーリズムの需要掘り起こしにもつながるとみられています。
日本生命が3割出資する中国政府系金融との合弁生保「長生人寿」が販売窓口となり、加入者ががんになった場合、日本で治療を受けるのに必要な旅費や滞在費、治療費などを原則として保険金でまかなう仕組み。 医療機関仲介などの日本エマージェンシーアシスタンス(EAJ)と提携し、EAJが提携する国内1000の医療機関から、患者の症状や希望に応じた病院を紹介し、医療ビザ取得などの手続きも代行するそうです。長生人寿が治療費を支払うため、医療機関が取りはぐれる心配がないのも利点とされていました。
中国の生保市場は米国、日本、イギリスに次ぐ世界4位の規模。
国内生保では明治安田生命保険や住友生命保険も進出しています。
日本では平均寿命も延びる中、アジアでの保険販売は今後、急伸すると考えます。
日本生命の中国での医療保険販売は「日本で治療が受けられる」というエリアを超えた展開となっています。
先般、バンコクに行った際に高速道路上に「AH1」の表示を発見し、このアジアハイウェイの起点が東京日本橋で、トルコまでつながっていると聞いて、「アジアは一つ」という意識を強く持つことが出来ました。保険を通じてアジアを一つにすることが出来る流れが来ていると思います。
アジアの保険マーケットは大きく変貌する予感がしています。
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