2013年12月06日 16時54分更新
以前ご相談にいらしたお客さまから、こんな話を聞いたことがあります。
「自宅に来たセールスマンから、あれやこれや売り込みを受けて
いいかげん嫌気がさしたので、やんわり断って帰ってもらおうとしたら
コルクの話を延々されて この上なく気分が悪くなった」
もう二度とその会社の営業マンとは会いたくないと立腹されていたので
そのときのことはよく覚えています。
コルク・・・?
かいつまんで話せば、
一艘のボートがあり、そこにあなたの家族が乗っている。
そのボートには穴があり、その穴をふさぐのがコルクであって
あなたはそのコルクを十分に用意していなかった。
そのコルクがなかったばかりに、ボートは沈んでしまう。
そのコルクとは、言わば保険の役割で・・・・
(>_<)・・・・・・・。
例え話の類だと思いますが、いきなりやってきた営業マンから
こんな話を聞かせられたら、あなたならどう思いますか?
私が勧める話に耳を貸さなかったら、いずれこうなりますよ・・・・
ヒヒヒ・・・・・
例話が悪いということではないのですが、時と場合でしょうね。
このお客さまの場合は、もうその話をした営業マンに二度と会わないと
固く心のドアをしめてしまいました。
昔は、こういったお客さまの断りをつぶしていく話法や
ニード喚起のビジネス本がたくさんありました。
今もないわけではありませんし、新人営業マンはそれをマニュアルとして
セールスを学んでいくことも事実です。
さきほどのコルクの話が悪いわけではありません。
保険の役割がどんなものか、お客さまに理解していただくための
例えばなしであればよかったのですが
「私の話を聞かないと後悔するぞ(後悔させるぞ?)」
「将来こんな不幸に見舞われるぞ」
こういったニュアンスで話してしまうと、これはもう脅しです。
お客さまが立腹されたのは、そういうことです。
お客さまがこう言ったら、こう返そう、
袋小路に追い詰めて、NOと言えないようにしよう。
お客さまを型にはめ込んでいくクロージング、とでもいうかもしれません。
(根負けしたお客さまが加入したとして、いずれとる対抗策は
保険料支払いを止めることらしいですw)
私が在籍した来店型ショップでは
「クロージング」という概念がありませんでした。
お客さまの要望や、潜在的なニーズについて
時間をかけてコンサルティングを行うので、
最後に加入するにあたっての決定は、いろいろこちらから
促さなくても、お客さまは自ら選ばれるので必要がないわけです。
応酬話法的にお客さまを追い込まなければならない状況が発生するのなら、
それはその営業マンに、聴く力、コンサル力がついていない証拠です。
あ、プロとしての背中押しは必要ですよ。それでも迷っている方には
そのご家族を守るために、保険案内人のプロとして、
あなたに必要なものはこうだと思う、ということは伝えなければなりません。
そういう思いで伝える話は、さきほどのコルクの話とはまるで意味合いが違って伝わるはずです。
昔の常識、いまの非常識。
生保によくある応酬話法マニュアルは
もうお客さまも知っていて、聞き飽きています。
ある意味通用しない時代かもしれません。
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