2015年03月03日 11時34分更新
若い頃、東北で暮らしたことがあった。34歳から7年間ほどだった。
なので、「こけし」は割と身近にあった。
最近、その「こけし」がブームになっていると聞いた。
こけし好き女史を「こけ女」と呼ぶそうな。
鳴子、遠刈田、作並、津軽…何となく種類の名称は覚えているが、
区別して言い当てろ、と言われたら自信がない。
仙台を離れる時に、ロータリークラブの仲間たちに記念に頂いた立派な
こけしは、もちろん大切に寝室に飾ってある。
文句を言ってはバチが当たるが、あえて言わせていただけば、
どうも、こけしは安定性が悪い。
当然だが「頭でっかち、尻つぼみ」だ。
すぐ倒れて厄介だ。
これが「ハンディ」だ「短所」だと嘆くのは、私のような凡人で小人だ。
宮城県大崎市の光電子株式会社の加藤社長は非凡だ。
こけしの倒れやすさを「短所」と捉えず、「個性」と捉えた。
また、その形状を十二分に活かして、素晴らしい製品を生み出した。
「こけし型LED懐中電灯」だ。
地震の際、自然に転倒し、底の部分が自動的に点灯して
懐中電灯にへんし~ん!!
普段は充電器にセットしておき、常にスタンバイオッケイ。
見栄えは、東北の旅館やホテルの景色に邪魔にならない。
もちろん、災害時には大いなる助けとなる。
「倒れやすい」イコール「短所」と先入観にとらわれずに、
「個性」と冷静に捉え、それらを十二分に活かす。
3.11の教訓も然り。
これは、「人」に対しても、「人生」に対しても、
「ビジネス」に対しても言えるのだろう。
「ハンディ」だ、「短所」だ、「災難」だ、と捉えるのも、
「個性」や「学(まなび)」と捉えるのも、受け取る私達次第。
転んでもただでは起きない。
コケても光ろうじゃありませんか。
「伝統こけし」が「転倒こけし」になり、
「点灯」して「電灯こけし」になったお話でした。
「物はそれを活かす人のもとに集まる。」(倫理法人会)
「不常識を非真面目にやれ。」 (本田宗一郎)