2016年11月17日 18時26分更新
消費者契約法の一部改正が公布されました。
消費者と事業者との間の情報・交渉力の格差に鑑み、「契約の取消し」と「契約条項の無効」等の規定が一部改正されました。
契約が取消し出来る現状規定は、事業者が次の行為により契約を締結した場合、消費者は取消しが出来るというものです。
その内容は、①不実告知(重要事項が対象)、②断定的判断の提供、③不利益事実の不告知
④不退去/退去妨害というもの。不退去とは多分「家に押しかけて帰ってくれない」という意味で退去妨害は「帰らせてくれなかった」という意味だと思います。
こうした従来の規定では、高齢者の判断能力の低下等につけ込んで大量に商品を購入させる被害事案が発生したり、契約の目的物に関しない事項について不実告知による被害事案(具体的には、床下にシロアリがいて、家が倒壊すると言ってモノを売りつける)が発生したりと不備が指摘されていたため今回の改正となりました。
こんな条文です。
「消費者は、事業者が消費者契約の締結について勧誘をするに際し、物品、権利、役務その他の当該消費者契約の目的となるものの分量、回数又は期間(以下「分量等」という)が当該消費者にとって通常の分量等を著しく超えるものであることを知っていた場合において、その勧誘により当該消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたときは、これを取り消すことができる。」
このようにして「過量な内容の契約の取消し」を認め、重要事項の範囲も「物品、権利、役務その他の当該消費者契約の目的となるものが当該消費者の生命、身体、財産その他の重要な利益についての損害又は危険を回避するために通常必要であると判断される事情」という項目を新設するなど拡大させました。
契約無効に関する条項では、現行規定では、消費者の利益を不当に害する条項として、①事業者の損害賠償責任を免除する条項、②消費者の支払う損害賠償額の予定条項、③消費者の利益を一方的に害する条項については無効としていましたが、「事業者の債務不履行等の場合でも、消費者の解除権を放棄させる条項」、「消費者の不作為をもって意思表示をしたとみなす条項」も無効とするよう改正されました。
契約者保護が進んでいますね。
この一部改正の消費者契約法は、来年6月3日に施行されます。
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