2013年11月25日 11時07分更新
ニーの創業者の盛田昭夫さんが、よくスピーチで話されていたことを
思い出した。
ソニーがテープレコーダーの開発に成功したのは、昭和25年頃だった。
苦労して苦労して完成させた製品は、もちろん、飛ぶように売れる「はず」
だった。
しかし、全く売れなかった。
当時17万円(今の価値で500万円くらいだろうか?)、重さ45kgの
箱は、初めは人々を驚かし、大いに受けは良いのだが、自分の声を聞くだけ
の役割を果たすには過大すぎると、ほとんどの人が感じたのだろう。めった
に買う人はいなかったようだ。
頭を悩ましていた盛田さんが、ある時、骨董品屋に何気なく入って、そこで
出くわしたシーン。それは、あるおじいさんが、盛田さんにとっては何の
価値も感じない品を、ひょいと買っていったのであった。それも、テープ
レコーダーと同じくらいの値段、500万円で…。
「そうか、価値のわかる人に紹介しなければ、物は売れないのだ!」と
盛田さんは気づき、「テープレコーダーの価値のわかる人々」、つまり
マーケットを模索し始めた。
それが、当時、速記者不足に悩んでいた最高裁判所であり、バレリーナが
鏡を必要とするように、自分の歌の出来栄えをチェックしたい音楽学校の
生徒であった。
そこには、テープレコーダーの存在を知らないが、潜在的な大きなニーズが
あったのだ。
もちろんその後、テープレコーダーは、学校教育の場を中心に爆発的に
売れ出すのだった。
ひるがえって、我が保険の市場においても、人々は、ライフスタイルの
大きな変化の時、保険を見直す。結婚、出産、育児世代の80%は保険の
見直しを考える。
これはもう、いままで確立された、いわば顕在的なニーズだ。
これに加えて、子育て世帯は「保険を見直したいが、相談相手には子育てや
子育ての制度に詳しい人を選びたい」と、ベネッセのアンケートに答えて
いる。
しかし、その種のコンサルタントをどうやって選ぶか、どうやって出会うか
の手段が見当たらないのが現状だ。これが、市場の欲求不満だ。
正に大いなる潜在的なニーズだ。
あたかも、音楽学校の生徒が、自分の歌を一度でも良いから聞いてみたい
が、彼らには、解決策はもちろん、自身では発見、発明できなかったことと
同じ潜在的ニーズではないか。
その、テープレコーダーのような解決策が、「子育て保険アドバイザー」の
認定と、ベネッセ等とのコラボレーションによる「子育て世帯と『子育て
保険アドバイザー』の出会い」のアレンジメントだ。
いささか強引にも見えるこじつけだが、趣旨はご理解いただけただろうか。
この「子育て保険アドバイザー」認定制度は、潜在ニーズに働きかける
マーケティングだ。
商品のイノベーションではなくマーケティングのイノベーションだ。
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