2014年10月27日 11時41分更新
先週末、日経新聞にこんな記事が掲載されました。
ご覧になった方も多いと思いますが、念のため、こんな内容の記事が掲載されました。
『金融庁は、複数の保険会社の商品を取り扱う保険の乗り合い代理店(保険ショップ)の実態調査に乗り出した。勧める商品が販売手数料の高い商品に偏っているとの批判があるためだ。契約者が払う保険料のうち、販売手数料をいくら受け取っているのか、月内に報告するように求めた。販売手数料が高すぎ、販売にひずみがあれば、是正を求める考えだ。
金融庁は9月中旬、保険会社を通じて、代理店に販売手数料の水準などの提出を要請した。対象になった代理店は数十社あるとみられる。必要に応じて、個別に聞き取り調査を実施する。
具体的には、代理店が販売した個々の商品の保険料率はいくらで、それぞれどれぐらい売れて、販売手数料の総額はいくらだったのか、時系列で示すように求めた。特定の保険会社の特定の保険を集中販売している場合、どのように推奨商品を決めたかを示す資料の提出も求めた。手数料を稼ぐ目的で、特定の保険会社の特定の商品を契約者に勧める傾向にないかを確認する狙いがある。
保険には手数料の開示義務がなく、契約者に実態が分かりにくい。
販売手数料は保険会社によって違い、複数の業界関係者によると、「初年度は年間保険料の半分から同額を支払う保険会社もある」という。
保険販売は従来、女性営業員が自社商品を販売するのが主流で、顧客ニーズより自社の営業戦略が優先するとの批判があった。一方、30~50社の保険会社の商品を扱う乗り合い代理店は「第三者の立場で最適な保険を選んでくれる」(30歳代の男性会社員)との声があがるなど存在感を増している。
最大手のほけんの窓口グループなど大手4社の店舗数は、9月末時点で約1050店にのぼる。米調査会社のセレントの調べでは、2009年末時点で226店で約5年間で5倍近くなった。
だが、代理店は保険会社から受け取る販売手数料が収入源で、手数料の高い保険を勧めているのではないかという指摘も一部で出始めている。
保険販売の手数料開示を求める声もある。12年から13年にかけて開いた金融審議会では業界の反対が強く見送られたが、金融庁は調査で実態を把握し、「必要に応じて行政対応を検討する」(金融庁幹部)構えだ。』
金融庁保険審議会ワーキング・グループで議論され最終的には見送られた代理店手数料開示ですが、やはりここに行きつかないと「手数料の高い商品を販売していてお客様に不利益を提供しているのではないか」という一部の声を払拭できないのでしょうか。
しかし、この手数料開示の問題は根が深いのでなかなか判断は難しいと考えます。
まずは、保険代理店手数料開示を実施するのであれば乗合代理店だけでなく一社専属代理店や、ソニー生命、プルデンシャル生命、日本社の外販直販の方々も開示していただかないと不公平だと思います。お客様に保険会社の選択肢を与えてあげないと保険業法の情報提供義務に反するように思いますが、如何なものでしょうか。一社だけの商品ではお客様の意向を網羅した商品構成が組めない可能性もあり、複数の一社専属保険募集人から話を聴ける態勢を作ってあげないと結果的にお客様に不利益を与えてしまうと考えますね。
また、保険会社の手数料率の設定そのものの議論に行きつくように思います。そもそも手数料が高すぎるという批判があるのであれば、手数料を大幅に下げてお客様の保険料負担を軽減するよう指導でも入れば、一挙に流れが変わると考えます。
一朝一夕ではいかない業界の根っこの部分に抵触する手数料開示問題。
今後、議論をし続けていく必要があると思いますね。
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