2019年01月10日 18時56分更新
損害保険代理店数は損害保険協会によると2017年度で186,733店あります。このうちの51.7%は自動車関連業となります。業界では自動車関連業の兼業代理店を「モーターチャネル」と称しています。モーターチャネルには多くの個人情報があり、この情報を活かせば保険も取れると思われがちですが実態は違います。
ということで、意図的に最近、モーターチャネル保険代理店さんとお会いしています。
某大手整備工場さんでは昨年から自動車保険を販売しました。どうして今更と思いましたが、「整備工場で自動車保険は売れない」と断言されました。車のディーラーだと新車を購入されると自動車保険の「車両入替」の話題を振れるので、ここから自動車保険に持ってこれますが、整備で納車したお客様に自動車保険を勧めると基本、嫌な顔をされるということで従来取組んでませんでした。
しかし、自動車整備業界も収益が厳しいので、一番、シナジーが高そうな自動車保険取得に舵を切られました。そのために何をされたか。コンサル会社と契約をして、何と整備工員が自動車保険を提案できる「トークスクリプト」を作ってもらって、何度も何度も「ロープレ」を実施して、漸くお客様に提案できるようにしたところ、毎月三桁の新規契約が取れるようになりました。多くの顧客の個人情報を活かして、フィービジネスを高めていくことが唯一の生き残る手段ということで、現在、生命保険の成約に繋げられないか模索しています。
板金工場さんは、もっと厳しく、修理の市場は5年間で465億円、台数で86万台も減少しています。これは緊急停止機能が付いた自動車の普及も大きく影響しています。
板金工場の連合体の会長さんとお話しましたら実に興味深いお話が聞けました。
基本、板金はお客様が「運転操作を誤ってぶつけた」といったことがないと必要とされません。「お客様の不幸」を仕事にしているのが板金工場だと言われ、この際に自動車保険を提案するなど絶対に無理と言われました。
しかも、板金工場と保険会社の査定はいつも「対峙」する、つまり板金工場が板金塗装した修理代を保険会社の査定が高すぎるとかクレームを言ってもめる対象であり、板金工場代理店で自動車保険を取っていると、この狭間で動きが取れなくなるので、いつでも保険会社と対峙できるように自動車保険は扱わないところも多いと聞きました。
ネクタイ派手夫自身、長い間、保険会社に勤務し、多くのモーターチャネル代理店と接して来ましたが、こんな話を聞いたのは初めてでした。
とは言うもののモーターチャネルの「本業収益」が間違いなく減少し続ける中、収益をカバーし、お客様との接点を増やすには、「生命保険の取組」がベストかと考えています。しかも、本当にお客様に寄り添う生保代理店との協業で推進し、お客様の悩み事、困り事をお聞きして、それぞれの解決策を提案することでのフィーも取れるようにしたいと考えています。
こうした意図をもって最近はモーターチャネル代理店さんと会っていますが、何とか今年の大きな潮流にできるよう動きたいと考えています。関心のあるモーターチャネル代理店さん、是非、結心会かインステック総合研究所のホームページから問い合わせ下さい。お待ちしています。
前の記事
いよいよ四年に一度のオリンピックが開催ですね。 日本選手を応援して熱い夏を過ごしたいと考えています...
上野 直昭 07月17日10時37分