2016年11月17日 18時54分更新
金融行政に対する外部からの意見や批判等を取り入れるため、金融庁職員ではなく中立的な第三者である外部専門家が直接、意見・提言・批判等を聞く「金融行政モニター受付窓口」が設置されていることをご存知でしょうか。
2016年1月29日より運用が開始され、寄せられた意見等を金融行政に反映させる仕組みを構築しようとしています。
また、金融庁に対して直接意見等を提出できる「金融行政ご意見受付窓口」も設置し、更に制度の実効性・透明性を図る観点から、主な意見等の概要及び金融庁の対応を金融庁ウェブサイトにおいて公表もしています。スタートから4ヶ月で、金融行政モニター受付窓口に寄せられた意見等は16件、金融行政ご意見受付窓口へは252件の意見等が寄せられているようですが、皆さん、もっと活用されてみませんか。
こうして金融庁は自ら「開かれた体制」づくりを推進しているのです。
また、金融庁は民間有識者を活用した重点施策の推進にも力を入れていて、平成27事務年度においては、「スチュワード・コード及びコーポレットガバナンス・コードのフォローアップ会議」、「会計監査の在り方に関する懇談会」、「金融仲介の改善に向けた検討会議」、「フィンテック・ベンチャーに関する有識者会議」、「決済高度化官民推進会議」を設置し、外部の有識者の意見を取り入れつつ、検討を行ってきました。カタカナが多くて分からないと言われる方も多いとは思いますが、金融庁は今後も、こうした有識者会議での議論を政策の意思決定に反映しつつ、引き続き金融行政の高度化に取り組んで行く必要があるとしています。
更に、金融庁職員自身の意識改革も求めていて、金融庁職員一人ひとりが「国益への貢献」を追求し、困難な課題にも主体的に取り組む中で、金融庁が組織として高い成果を出していくためには、①金融庁職員一人ひとりが、国益の実現に向けて、意識・意欲を高めていくこと、②金融庁が、多様で高度な専門性を備えた人材集団となること、③金融庁職員一人ひとりが、成長し「金融庁で働いて良かった」と実感できる職場にしていくこと、が重要であるとしています。
その意味で、我々も積極的に金融庁職員の方と会って、意見交換、情報交換をしていく必要があると考えています。
一般社団法人保険健全化推進機構 結心会では今年6月に金融庁保険課の方をお招きして改正保険業法施行直後での保険業界の中で方向性が見えない幾つかのワードについて金融庁の解釈を確認するという場を作りましたが、こうした場を作り、多くの保険代理店の声を聴いていただけるように今後もしなければならないと改めて感じています。
開かれた金融庁の体制を支えるのは我々、保険業界にいる者の務めです。きちんと意見を言って正しい方向に向かうよう働きかけていくことが今後益々重要になってくると思います。
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