2016年01月14日 19時39分更新
保険代理店を売りたいという方の最大のポイントは「一体幾らで買ってもらえるのか」だと思います。高ければ高いほど有難い訳ですが、一応、何となくの基本ルールが存在します。
では、損害保険と生命保険ではどちらが高く値がつくでしょうか。
これは完全に生命保険の方が高く売れます。
損害保険は基本「一年満期」ですので、買った瞬間に「満期手続き」という作業と既存契約者の事故処理や保全という作業が発生します。当然、買った方からすると全ての契約を継続して欲しいのでお客様を訪問して手続きするといった作業が発生します。この手間分がそもそも査定のマイナスとなります。傷害保険がメインで自動更新する契約ばかりを保有されている代理店は値が付きますが、自動車保険、火災保険メインという代理店は評価が厳しいですね。その意味で売りたいという損害保険の代理店は契約構成を変えて値が付きやすくする努力が必要ですね。
一年満期ですとお客様が他の代理店に契約を付け替えるリスクも生じます。長年営業されている方でも自動車事故が発生し少しトラブルがあればお客様は翌年継続しない方も多く、一定の「継続落ち」が発生しますが、代理店が替わるという大きな節目では継続落ちは20%以上あると予想され、次年度、次々年度と更改を迎える度に継続落ちが続くと考えると手間をかけて3年間更改手続きをしたにも関わらず、買った契約の半分しか残らないという事態が生じます。売ったサイドの代理店店主を買った方の代理店の顧問にして継続落ちをさせないようしても一定量契約は消滅しますので、なかなか値が付き辛いというのが損害保険です。
損害保険に値をつけるとすると、一括払いだと売ったサイドの代理店の支援を絶対条件として昨年支払われた一年間分の手数料の70~80%くらい、分割払いですと年間手数料の80%を2分割にして継続率を鑑みつつ継続率が想定値を下回った場合は減額するという契約からスタートすることになると思います。なかなか厳しいですね。
一方、生命保険はどうでしょうか。契約が成立していれば保全の仕事はありますが、損害保険と比べると比較にならないほど少ない作業となります。しかも、次年度以降、継続手数料が保険会社によって期間が異なりますが、4年、6年、7年、9年にわたって支払われます。毎年更改手続きをすることなく手数料は一定期間入ってくれば生命保険の契約はまさに「資産」です。それなりの金額で購入して5年間で償却しつつ、買った契約ベースを活用してアドオン契約や紹介契約が取得出来れば、買った甲斐があるというもの。
その意味で生命保険は売り易いですね。
生命保険の値の付け方は次回でしたいと思います。
いよいよ改正保険業法スタートまで半年を切りましたが、乗り切れないと思われる代理店は今から売るという経営判断も視野の一つに入れて考えて行って下さいね。
売るとすると今が旬だと思いますよ。