2016年01月14日 18時39分更新
マイナンバー制度の開始や個人情報保護法改正、サイバー攻撃の高度化など社会環境が変化するなか、サイバー攻撃によるリスクへの備えとして、保険に対するニーズが高まっています。
これに対応し損害保険各社は、経済活動を行う企業のサイバーセキュリティ対策を支援するため、情報漏えいによる損害賠償金や原因調査費用、利益損害など、補償範囲の広い新商品として「サイバー保険」を開発し販売していますが、ご存知でしたでしょうか。
補償内容はこんな感じ。
サイバーセキュリティ事故に起因して発生した次の各種損害を包括的に補償します。
また、マイナンバーの漏えいまたはそのおそれも補償対象とするほか、海外で提起
された訴訟も保険の対象となります。
損害の種類 |
お支払いする保険金の内容 |
損害賠償 |
損害賠償金、争訟費用等 |
事故対応 特別費用 |
情報漏えい対応費用、原因調査費用、再発防止実施費用、 損害拡大防止費用、謝罪文作成・送付費用、使用人等の超過勤務手当て・臨時雇入れ費用、社告費用、コールセンター 費用、弁護士相談費用、求償費用等 |
喪失利益 |
IT機器等が機能停止することによって生じた利益損害 |
営業継続費用 |
IT機器等が機能停止することによって生じた営業継続費用 |
また、情報漏えい等が発生した場合には、被害を最小限に食い止める必要があり、迅速な原因調査や被害拡大防止等の緊急対応の重要性が増すことから、これらの支援を行う専門業者と連携し、円滑な 復旧を支援するサービスを、「サイバー保険」に加入したすべてのご契約者に提供することとしました。
ニーズはあるように感じますが、実際、なかなか売れていないようで、最近、損害保険ジャパン日本興亜は情報セキュリティマネジメントシステム認証を取得した企業は保険料を最大40%割り引くと発表したり、東京海上日動も企業の取り組みに応じ最大55%割り引くと発表したりと躍起になって拡販しようという動きに見えますね。
まだまだ、サイバー攻撃に遭遇した場合のリスクの啓蒙が必要な段階なんでしょうかね。
安全意識だけが過剰に高すぎるのか、危機意識が希薄なのか分かりませんが、この手の保険は我が国では浸透しないですね。