2015年05月18日 17時55分更新
「ドローン」と呼ばれる小型無人ヘリ。
首相官邸に届いたことで大いに注目が集まりましたが、こうした使い方は問題外として、ドローンの産業利用がいよいよ本格化しそうですね。
こうした事件の中、東京海上日動火災保険社が「産業用ドローンの故障や墜落のリスクをカバーする国内初の保険を7月に開始する」と発表しました。絶妙なタイミングで一挙に「ドローン保険」に関心が高まりましたね。
正式名称は「産業用無人ヘリコプター総合保険」らしいです。
ドローンが落下して人やモノが傷ついたり、機体が壊れたりした場合に保険金を支払うもので、元々あったヘリコプター保険の変形バージョンの様ですね。機体の盗難や、行方不明時の捜索費用も保険対象にするようで、なかなかのチャレンジャーと思いきや最近はドローンの価格が安くなっているとか。
カメラ搭載用のドローン製造で世界最大手の中国企業・DJI社は同社の空撮用ドローンシリーズの最新作「ファントム3」をニューヨーク、ミュンヘンなどで世界同時発表。フルHD動画対応の機種をわずか999ドルという低価格で打ち出しました。日本でも10万円台前半の価格設定になると見られるそうで、これなら「機体のモノ保険」としても引受可能かと思いますが、モラルリスクも考えられる商品でもありますよね。
ちなみに、この「ファントム3」は、手元のリモコンで画面を見ながら、リアルタイムでの空撮が可能で、通信が途絶えた時にはGPSで自動的に戻って来る機能や、空中での安定的なホバリング(飛びながらの静止)、20分以上持つバッテリーなど、低価格帯ながら高機能とのこと。DJI社はこうしたドローンを次々と開発し、急成長。検索大手グーグルや電気自動車メーカーのテスラなどと並んで、米誌の「世界で最もイノベイティブな企業TOP10」にも選ばれているそうです。
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日本でもファントムシリーズや、仏メーカー「パロット」のドローンを使って、一部のマニアがすでに空撮を始めており、ユーチューブなどに動画が投稿されています。海外では、火山口など有人ヘリが近づけない場所の空撮映像が話題になっています。しかし、ドローンは墜落の危険性が低いもののゼロではなく、人が多い街中での撮影はあまり進んでいません。新聞社やテレビ局も積極利用を検討していますが、事故のリスクがつきまとっていました。
こうした中での「ドローン保険」販売開始発表は、東京海上日動火災社広報曰く「これまで個別の企業ごとに“オーダーメイド”のこうした保険をつくることはありましたが、産業用ドローンを幅広く扱う保険は日本で初めてです」としていて注目に値すると思います。
保険を逸早く提供したことでドローンは日本に定着すると考えます。まさに保険が一つの産業を育てるという所でしょうか。それこそが保険の意義だと思いますね。流石、東京海上日動火災社!!
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