2012年02月18日 11時36分更新
法人を専門に保険提案をしていると、決算対策として保険を活用する提案か、保険の内容を見直しして無駄な掛金や無駄な保障を見直す提案がほとんどだと思います。
たまに、貸借対照表上の科目を組み替える様な提案もありますが、やはり大半は損益計算書の利益を圧縮するか費用を圧縮する話ばかりと言っても過言ではないと思います。
そんな中で、唯一「売上を伸ばす事が出来る保険」があります。
その商品は「取引信用保険」という保険です。この保険は、取引先が倒産などにより売掛金の回収が出来ない場合に保険金が支払われる損害保険商品です。
一般的には、経営状況が不安な取引先の売掛金が貸倒にならない様に債権保全を目的として契約するのですが、私はもっと前向きな使い方を提案しています。
取引信用保険を契約する際に、保険会社へ取引先リストを提出します。各取引先の債権残高を保険会社へ伝え、保険会社は債権残高に対していくらの与信額が付与出来るかを審査します。
その与信額は取引先の与信状況によって変動しますから、与信額の状況によって保険会社がその取引先をどう見ているかが判断出来ます。
特に、ユーラヘルメス信用保険やコファスジャパ信用保険といった取引信用保険を専門に扱っている外資系保険会社は、単に企業調査会社の点数が高い低いで判断はせず、独自の判断基準を持っているので非常に参考になります。
ちなみに保険会社へ見積を依頼するのは無料なので、まずは無料で与信状況を把握する事が出来ます。
※見積を依頼してから提示まで審査を行いますので、1ヶ月程度は時間が掛かります。
※無料だからといってくれぐれも冷やかしでは依頼しないで下さい(汗)
そして、最適なコストで最適な与信を付与してくれる保険会社と契約となるのですが、ここからが取引信用保険を活用する真骨頂になります。
契約後に、新たに取引を開始する際には保険会社へその取引先を通知する事になります。そして保険会社はその取引先に対して幾らの与信が付与出来るかを審査して通知してくれます。
この保険会社が付与する与信額を踏まえて、取引先との条件を決めてしまえば良いのです。
例えば、同業他社が取引を躊躇する様な先に対して、保険会社の与信がしっかりと付けば、ある程度先方に有利な取引条件を提示して受注する事も出来るでしょうし、与信がしっかりと付くのであれば、現金から手形に変えたり、手形のサイトを少し長くするなどして先方へ有利な条件を提示して、同業他社を出し抜くという事が出来ます。
逆に与信が付かない場合には、無理に取引をする必要はないのでコチラにとって有利な条件で提示して、だめなら受注しなければ良いだけです。
あと、一部保険会社によっては契約者向けのサービスとしてインターネットで企業名を入力するだけでその場で与信状況が分かるサービスを提供している会社もあります。この場合、特に海外企業と取引する場合、インターネットがつながる環境さえあれば、その場で与信額が分かるので、意思決定を早められる効果もあります。
この取引信用保険を上手く活用すれば、国内外を問わずに取引先の債権保全と与信管理・新規開拓へ役立てる事が出来ます。
法人保険営業をしている保険営業パーソンなら必ず押さえておきたい保険商品の1つです。。。
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