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生命保険営業の科学-その4|生命保険営業が「尊敬され愛される」職業になるために!|伊場野 和夫

生命保険営業が「尊敬され愛される」職業になるために!|伊場野 和夫

生命保険営業が「尊敬され愛される」職業になるために!

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生命保険営業の科学-その4

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このシリーズ『生命保険営業が「尊敬され愛される」職業になるために!』は、最初から読んで戴くシリーズコラムです。 途中から「とれまが保険」サイトに訪れた方は、是非シリーズの最初から、このテーマを自分自身で”考えながら”しっかりと読んでください。

ポジティブアプローチ&ギャップアプローチ

ポジティブアプローチは2000年前後から聞かれるようになった比較的新しい概念で、近年は組織変革などに活用され大きな成果をあげている。

日本語でポジティブというと「プラス思考」や「前向き」と同じ意味で使われることが多いが、英語のPositiveには「現実・実在」という意味もあり“Positive approach”とは、
「今の姿(実在)を理解し認め、それを元(種)にして成長させていく考え方」と言えるであろう。

それと相反する概念が“Gap approach”で、「あるべき姿と現実とのギャップ(隔たり)を埋めていこうとする考え方」であると言える。

じつは、ポジティブアプローチの概念は日本では「叱るより褒めて伸ばせ!」などのように人材育成の場では良く聞かれるのでそれほど目新しいものではない。
しかし、現場では学校の教育も企業の人材育成も「できないことを発見してできるようにする」ギャップアプローチ的な考え方がベースにあるのではないだろうか。
また、何か悪い事態が発生したときの対処法も「問題解決」と表現されるなど、ほとんどがギャップアプローチになっている。

もっとも、ギャップアプローチで解決されることも多く、ギャップアプローチ自体が悪いというわけではない。
しかし、近年のように社会や経済を取り巻く環境が複雑さを増している中では、そもそも「問題を特定できない」ことも多く、現実問題としてギャップアプローチだけで解決策を見出していくことは難しくなっていると思う。
(ヨーロッパの経済危機/原発問題/生命保険会社の改革等々)

《視野を狭め、見込み客づくりを阻害するマネジメント》
生命保険営業に目を向けても“ギャップアプローチ的なマネジメント手法”が、業績を上げるどころか、かえって問題を悪化させ、組織全体の業績を引き下げている可能性もある。

例えば、セールスパーソンにはあたり前のようにノルマ(挙績基準)があり、この基準の存在自体に疑問を感じる方はいないと思うが、現実には何が起きているだろうか考えてみたい。

① セールスパーソンには毎月毎月のノルマが与えられ、ノルマを達成できなければ報酬が減る。
*アントレプレナーモデルでは“ノルマ”という言い方に違和感があると思うが、生き残るための必要挙積があるし、各社が設定する低挙積指標もある。
② ノルマを達成できなければ厳しい“おとがめ”があり、未達成が続くと退職を余儀なくされるので、セールスパーソンの関心は今月のノルマ達成に向けられる。(これは営業管理職も同様であろう)
*短視野の図挿入
③ 毎月、月初には、今月申込みになりそうなお客さま、つまり見込客探しが始まる。時には、マネージャーも見込客探しに加わる場合も多い。(マネージャーの仕事は見込み客づくりである)
④ 一般に、見込客が潤沢にあるケースは少ないので、月末近くなると必死の刈り取り営業が始まる。生命保険の場合、誕生月でもなければ、お客さま側に急ぐ理由もないので、最後はお願いになる。
お願いが通じても、少額の保険になってしまうことも多いし、時にはプレッシャーが不正契約を招く場合もある。
また、断られたお客さまのところへはそれ以降行きにくくなってしまうため、商談の継続は難しい。(見込み客がなくなる)
⑤ 月末を迎えるとノルマを達成如何にかかわらず、すぐに翌月のノルマ達成に向けた活動を始めなければならない。
⑥ これが延々続く。
結果として、少し頭のいい人はノルマ以上に見込み客があると翌月に回し、平均的なセールスパーソンは、毎月のノルマ達成に照準を合わせ、余裕を持たないため、アクシデント(体況不良、契約延期、既契約担当者の巻き返し等)が発生すると対処できず、全体の平均値はノルマを下回る。

《業績給制度のパラドックス》
本来、生命保険のような選択が難しく長期にわたる契約を、種まきから刈取りまで1か月以内に完了することは難しいので、最低刈り取った分の補充(種まき)が必要になるのだが、ギャップアプローチ的マネジメントの元では多くのセールスパーソンやマネージャーの視野「1か月」と短くなるため種まきはされず、①~⑥が延々と繰り返されることになる。当然、セールスパーソンもマネージャーも疲弊してしまう。

そもそも「ノルマ」は経営上の「必要最低値」であり、それ以上やってほしいのだが、ノルマを超える申し込みを抱えている人は「翌月回し」にするし、ノルマを達成できない人も多いので、組織全体として平均値はノルマ以下の値に収束してしまう。

これは、業績給の割合が高い営業組織で「業績を上げようとすればするほど起こる逆説的現象」であり、大多数のセールスパーソンやマネージャーがその虜になって苦しんでいる。
これはシステムシンキングという考え方では、図のようにあらわされており、業種や業界を超えて普遍的に存在する定理のようなものだということがわかる。
*システム図挿入

ではどうすればよいのだろうか?
次回は、ポジティブアプローチによる管理について考えてみたい。

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