2017年05月11日 18時13分更新
「生命保険大手が人工知能(AI)やビッグデータを駆使した「フィンテック保険」の開発を進めている」という新聞報道がありました。
記事によると次の通りです。
『第一生命は藤田保健衛生大学(愛知県豊明市)と共同で、日本IBMのAI型コンピューター「ワトソン」を使った実証実験を始めた。糖尿病患者6万~7万人分の電子カルテのビッグデータを解析し、今夏にも結果をまとめる。
体格や病状、生活習慣などから効果的な治療法や引き起こしやすい合併症を分析する。糖尿病患者向けに、治療プログラムと合わせた保険商品の開発などをめざす。
個人保険の保険料は主に年齢と性別によって分かれている。過去に重い病気にかかったり、健康診断の結果が悪かったりすると、加入できない商品も多い。カルテや健康診断の結果などのビッグデータを、AIできめ細かく分析すれば、病気にかかっていても、症状の段階に応じて保険に加入できる可能性が高まる。
一方、住友生命は2018年夏をメドに提携先の南アフリカの保険会社やソフトバンクと共同で健康状態や運動量に応じて保険料を決める商品を発売する。
今後、スポーツジムやスーパーといった健康に関連する企業とも協力。
腕時計型端末などで運動や食事に関するデータも集めて、健康への取り組み状況を4~5段階に分けて評価。結果に応じ保険料が変動する仕組みを検討する。
たとえばスポーツジムに通ったり、スーパーで野菜を買ったりすればポイントがもらえ、保険料が安くなるといった具合だ。病気の未然防止に役立つ可能性がある。
日本生命も16年10月に買収したオーストラリアのMLCを通じ、健康状態に応じて保険料を決める実証実験を始めた。
腕時計型端末をMLCの社員につけ、健康状態や活動データを取得。平均歩数が一定の数値を上回った場合などに個人保険や死亡保険の保険料を割り引く。約4200人が実験に参加している。日本でも同様の実験をして、商品やサービスに生かすことを検討する。』
日本社が元々ビックデータを保有していることもあり、積極的にフィンテック保険への展開を進めていますね。積極的金融とIT(情報技術)を融合したフィンテックの中で保険分野は「インシュアテック」「インステック」とも呼ばれています。
生保は保障内容で商品に差を付けにくくなっているため、病気の未然防止を促す保険や、きめ細かい保険料の設定などに開発の軸足を移そうとする流れは益々積極化していくと思いますが、保険代理店としても契約者を代理店の個別会員化しつつ、より細かいデータを集積する動きを考えないといけませんよね。
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