2016年06月23日 19時05分更新
ノーリツ鋼機が健康状態に応じて保険料が変わる医療保険商品を発売すると発表して保険業界に衝撃が走りました。(走ったと勝手に解釈していますが)
健康診断の結果やレセプト(診療報酬明細書)のビッグデータを基にして統計解析した指標を使い、「健康年齢」を算出し、それに応じて月々の保険料が決まるという全く新しい保険が登場したのです。こうした医療保険の商品は、当然「国内初」!です。良く金融庁が認可したものだという感じですね。
販売する保険業者は「健康年齢少額短期保険」で、商品名は「健康年齢連動型医療保険」という在り来たりの名称で残念な所もありますが、保険期間は1年間。がんや心筋梗塞など五大生活習慣病で入院した際に80万円が給付されるというものです。実年齢で18歳から75歳までが加入できるそうです。
「健康年齢」は血圧や肝機能といった健診結果と医療費の関係から導き出す独自の指標。たとえば実年齢が50歳でも健康年齢が40歳と算出されれば、保険料がその分安くなる訳です。日頃健康に人一倍気を使っている方には「一つのバロメーター」として加入してみようかと言う動機づけになりますね。
しかも、1年満期ですから、日々健康に気を付けていれば、翌年の更新時に改めて健康年齢を算出したら、更に健康年齢が若くなって保険料もより安くなったりしたら、益々健康管理に力が入るというもの。健康オタクには持ってつけの保険だと思います。
この保険が実現した背景には、ノーリツ鋼機の子会社、日本医療データセンターが保有する健診結果とレセプトのビッグデータがあります。保険を新たに作る場合には保険料算出の元データが必要で、データを基に保険数理人が純保険料を作り出して行きます。
少額短期保険会社は金融庁にデータを提出し保険料算出の根拠を示さないと認可にはなりませんので、こうしたビックデータが活用出来なければ金融庁を納得させることは出来なかったと思います。
生保業界では、第一生命子会社のネオファースト生命保険がたばこを吸っていないことを条件に保険料を割り引く商品を昨夏発売しましたが、これも生命保険会社が持つビックデータを活用してこその保険料算出の一つですね。
アメリカでは保険加入した顧客に万歩計を渡して何万歩歩くとアマゾンで品物が購入できる特典を与え健康増進に努めさせているところもありますが、健康年齢で保険加入できる保険は画期的で今後の保険業界を占う商品開発だと思います。
ノーリツ鋼機では健康年齢という指標を保険以外に活用することも検討するそうで、「スポーツジムなどと連携し、健康年齢に応じて会費を割り引く」といったことも考えられると言っています。
一般社団法人保険健全化推進機構結心会でも「予防医療」に取組んでおり、お近くの保険ショップで健康情報等を入手出来たり、地元の歯科医や眼科医とも提携してのイベントの実施等々を行っています。商業施設に入っている保険ショップに立ち寄れば色々な健康情報が入手出来れば利便性が高まりますよね。
保険商品が変化するように、保険ショップ自体も変化して行って行かなければなりませんね。
前の記事