2015年01月19日 10時57分更新
全回で介護保険制度改定の話をしましたが、第二段をお送りします。
現在は「要支援1・2」の下に「要介護1~5」があり、この要介護認定を受けた人が、所定の介護サービスを受けることができます。
要支援は身体介護の必要はほとんどなく、買い物や調理、洗濯、掃除といった生活面の一部に支援が必要な状態です。
この「要支援」を対象とする予防給付のうち、訪問介護と通所介護について、2015年4月より3年かけて「医療介護総合確保推進法」を基に、「市区町村が取り組む地域支援事業」に移されることになりました。
訪問介護は、ヘルパーが自宅で入浴のサポートをするなどのほか、掃除や料理などを手助けするものです。一方、通所介護は、施設に通って、レクリエーションを楽しんだり、機能回復のための訓練を行ったりなどのほか、入浴の介助もしてくれます。
これまでは、全国一律のサービスだったものが、市区町村に移行することで、市区町村の財政状態やトップの意識次第で、サービス内容や利用料に差が出る可能性はあります。しかし、NPOやボランティアにも頼めるため、多様なサービスの提供が可能になるとみられています。
介護保険の施設である「特別養護老人ホーム」は、有料老人ホームなどに比べて利用料も安く、要介護度が重くてもケアしてもらえます。この施設の入所待ちが全国で約52万人にのぼり、すでに深刻な施設不足に陥っています。そのため、2015年4月より入所条件が設けられ、より厳格になります。原則、新規入所は要介護3以上の人に限定されるようになる予定です。
なお、この「要介護3以上」の制限は新たに特別養護老人ホームに入所する人の基準で、現在すでに特別養護老人ホームに入居中の人は、要介護1、2であっても、そのまま住み続けられます。
また、要介護度が1、2と低くても、所定の「やむをえない事情」に該当する場合は、新規入所できることになっています。
「やむを得ない事情」の例としては、
•認知症高齢者であり、常時の見守りや介護が必要
•知的障害や精神障害なども伴って、地域で安定した生活を続けることが困難
•家族等による虐待が深刻であり、心身の安全・安心の確保が不可欠
などが挙げられています。
特別養護老人ホームや介護老人保健施設に入所した場合、食費や部屋代は原則自己負担です。しかし、所得が低い人にはこれらの費用を軽減する仕組みがありますが、その仕組みを利用できる認定基準が厳しくなりそうです。
これまでは所得(市区町村民税非課税)だけで判定していましたが、これからは預貯金もチェックされることになりそうです。たとえ所得が低くても、単身で1000万円、夫婦で2000万円を超える預貯金を持つ場合は、補助の対象から外される見込みです。また、世帯分離をしていても、配偶者に住民税が課税されている場合は対象外になるとみられます。今までは、遺族年金や障害年金については非課税収入でしたので収入にカウントされていませんでしたが、改正後はこれらも収入とみなして判定することになりそうです。
前回、今回と二回に分けて説明してきましたが、これらが「医療介護総合確保推進法」に関連する介護保険法改正の主なポイントとなります。
団塊世代の介護問題は待ったなしですね。
まずは「何がどう変わるかを知る」ことが必要です。
そうした情報はお近くの保険代理店でお聞きになることをお薦めしています。
お近くの保険代理店を探して事前に連絡をしてアポを取って行かれた方が良いと思います。
是非、この機会に保険代理店と接触してみて下さいね。