2019年01月10日 19時01分更新
財務省は、たばこのパッケージに印刷される健康被害の警告表示について、表示面積を現在の「30%以上」から「50%以上」に拡大すると発表しました。
2020年東京五輪・パラリンピックで新表示のたばこを流通させるため、一部を除いて2020年4月以降の販売分に適用し、更に加熱式たばこも対象となります。
これまでより目立たせるため、警告表示を区切る枠線を現状より太くし、「1ミリ以上」とされ、文字と枠線の色は白か黒に限定されます。
警告の文言も改めます。7月に受動喫煙対策を強化する改正健康増進法が成立したことを受け、「たばこの煙は、周りの人の健康に悪影響を及ぼします」など、他人への配慮を盛り込むそうです。
久しぶりのPL記事で、損保の人たちはお好きな記事だと思います。
たばこのパッケージに何が記載されているかご存知ですか。
Dr.ウエノはたばこを吸いませんので、見る機会は全くありませんが、たばこ事業法39条、同法施行規則36条で次のA,B各群から1種類ずつをたばこ製品の包装の主要な2面へそれぞれ30%以上の面積を使って表示することが決められています。
[A]
1.喫煙は、あなたにとって肺がんの原因の一つとなります。
疫学的な推計によると、喫煙者は肺がんにより死亡する危険性が非喫煙者に比べて約2倍
から4倍高くなります。(詳細については、厚生労働省のホーム・ページ
www.mhlw.go.jp/topics/tobacco/main.htmlをご参照ください。)
2.喫煙は、あなたにとって心筋梗塞の危険性を高めます。
疫学的な推計によると、喫煙者は心筋梗塞により死亡する危険性が非喫煙者に比べて約
1.7倍高くなります。
3.喫煙は、あなたにとって脳卒中の危険性を高めます。
疫学的な推計によると、喫煙者は脳卒中により死亡する危険性が非喫煙者に比べて約1.7
倍高くなります。
4.喫煙は、あなたにとって肺気腫を悪化させる危険性を高めます。
[B]
5.妊娠中の喫煙は、胎児の発育障害や早産の原因の一つとなります。
疫学的な推計によると、たばこを吸う妊婦は、吸わない妊婦に比べ、低出生体重の危険性
が約2倍、早産の危険性が約3倍高くなります。
6.たばこの煙は、あなたの周りの人、特に乳幼児、子供、お年寄りなどの健康に悪影響を
及ぼします。喫煙の際には、周りの人の迷惑にならないように注意しましょう。
7.人により程度は異なりますが、ニコチンにより喫煙への依存が生じます。
8.未成年者の喫煙は、健康に対する悪影響やたばこへの依存をより強めます。
周りの人から勧められても決して吸ってはいけません。
たばこを吸い方は、日々、パッケージをご覧になっている訳ですが、内容をチェックされている方は少ないと思います。海外のたばこのパッケージには肺がんに侵された肺の写真が表示されていて、もっと強烈にたばこの害を伝えています。
何故かと言えば、PL(製造物責任)には、警告文の欠陥があれば、製造業者は賠償責任を負うからです。たばこを吸うことで肺がんになると警告していたにもかかわらず、たばこを吸い続けて肺がんになったのは警告文を無視した「あなたの責任」だと逃げるための警告文になります。
身近なところでは、コンビニのビニール袋にも警告文が記載されています。(関心がある方は是非コンビニ袋をチェックして下さい。)
PL法は無過失責任を製造業者に負わせています。「欠陥がなかったことを立証する義務は製造業者にあります」。PL保険も当たり前になっていますが、たまに「PL保険」も話のタネにされては如何ですか。
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