2014年07月12日 06時24分更新
発作性疾患患者つまりてんかん患者の死亡率について調査したスウェーデンの研究報告があります。
調査対象群は、てんかんと診断された1954年から2009年の間に出生したスウェーデン人で、健常対照者および疾患を持たない兄弟姉妹と比較されました。
てんかん患者では、精神障害が基礎疾患として並存する可能性が5倍に上り、本研究の経過観察期間中においても3倍も新たな疾患に罹患しやすいことが分かりました。薬物使用障害についても、同じことが当てはまります。
本研究調査の終了時までに死亡したのは、患者群の8.8%ですが、対照群ではわずか0.7%でした。年齢、性別、収入、既婚/未婚および移民/非移民の5つの要素で調整した結果、てんかん患者は、経過観察期間中に死亡する確率が11倍に上りました。
ただし、考慮することができなかった他の危険因子が有意な影響を及ぼしたことも考えられます。また、被験者をてんかんの種類で分類することはできませんでした。
てんかん患者では、外因による死亡が3倍となりました。すなわち災害死亡となる確率がてんかん患者は高いといえます。
被験者、対照および兄弟姉妹で精神疾患の診断の有無を考慮した場合、災害死亡率への有意な影響が見られました。
てんかんの診断 |
精神疾患の診断 |
オッズ比 |
超過死亡指数 |
なし |
なし |
1.0 |
0 |
なし |
あり |
5.8 |
480 |
あり |
なし |
2.3 |
130 |
あり |
あり |
10.6 |
960 |
すべての精神疾患条件ではなく、鬱病または薬物乱用障害だけを重視した場合、これら2つの相対的影響はさらに大きくなります。
てんかんの場合、精神疾患の併発が外因による死亡オッズを4倍以上も増加させるとすると(10.6対2.3)、死亡原因の大半が疾病に由来しない40歳以下の保険申込者では特に「赤信号」となるでしょう。