2016年01月14日 19時36分更新
「自分の若い頃は、寄席にわざわざ来る客は少なかった。
特に、平日の昼間なんざ~、営業に行き詰ったセールスマンぐらいしか
座席にいなかった」
「背広を着ているから、すぐわかった」
噺家三遊亭小遊三が、NHKの高座の「まくら」でこんなこと語っていた。
日本人は、西洋文化では計り知れない独特の精神構造・心理を持っている。
伝統話芸には、そこに強烈に働きかける技術やパワーがあるはずだ。
プレゼンテーションを勉強するには、日本の伝統話芸である落語・浪曲
・香具師の口上、等を学ぶべきであると私は思っている。
アイスブレイクやフック、間の取り方、声の強弱大小、ストーリーの組立、
聴くリズム・話すリズムのあらゆるヒントがあると、かねがね思っている。
一方、客観性を持ったトレーニングについては、西洋が優れている。
体系づけられたコーチングは西洋が得意だ。
日本人は、系統立てて物事を教えるのは、どうも苦手のようだ。
「男は黙って…。目を見りゃわかるだろ。背中で教える、目で盗め。
理屈ぬき!」なんていうのが、現場の学習スタイルだった。
西洋流のプレゼンテーション研修と日本独特の話芸の双方を学べば、
最強のプレゼンテーションができるはずだ。
プレゼンテーションやコミュニケーション研修を外資系企業で受けるたびに、
子供の頃から日本の伝統話芸に親しんできた私には、確信が芽生えた。
現に、私の知り合いのプレゼンテーションの達人や先生には落語好きが多い。
これが、「和魂洋才」。
日本におけるプルデンシャル生命の初代社長である坂口陽史さんが
座右の銘にした言葉だ。
ところで、「平日の昼間寄席にいた、営業に行き詰ったセールスマン」の
末路はいかに?
ご安心ください!小遊三師匠
きっと成功しているに違いありません!!