2012年04月01日 07時35分更新
心臓は全身に血液を送るポンプの働きをしています。休むこともありません。生まれてから死ぬまで一生涯働き続ける大事な臓器が心臓です。この心臓が機能障害を起こした状態が心不全という病態です。
過日、天皇陛下が心臓手術を受けられたことは記憶に新しいことかと思います。心臓の筋肉を養う血管を冠動脈とよびますが、大動脈の起始部から左右に2本出ています。さらに左の冠動脈は2本の枝に分かれます。これらの冠動脈が動脈硬化により狭窄して起こる病気が狭心症や心筋梗塞です。これらを総称して虚血性心疾患または急性冠症候群ともよばれれます。
狭窄したすなわち詰まりかかった冠動脈に対して行われる代表的な手術には、心臓カテーテル手術と冠動脈バイパス手術があります。天王陛下の心臓手術は後者の冠動脈バイパス手術です。
冠動脈バイパス手術とは、狭くなったり閉塞している冠動脈の先に別の血管をつなげ、血液がその血管を通り、これによって血流の少ない心筋部位により多くの血液を流してあげる手術です。閉塞部をバイパスすることで心筋への血流量の回復を図ります。
この別のグラフトと呼ばれる血管がバイパスです。グラフトとして、以前は大伏在静脈を使用しておりましたが耐久性に問題があり、近年では内胸動脈、橈骨動脈などの動脈を使用することが多くなりました。
術式としては人工心肺下で行う手術が一般的ですが、最近はスタビライザーという器具を用いて心臓を拍動させたまま行うオフポンプ手術も行われております。冠動脈バイパス手術の英略語はCABG(Coronary Arterial Bypass Grafting)とよばれます。
ちなみに普通保険約款の対症となる手術は、手術番号21号大動脈・大静脈・肺動脈・冠動脈手術(開胸・開腹術を伴うもの)に該当しますね。
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