2012年01月31日 11時03分更新
医療費の心配は何歳になっても尽きないのかもしれませんが、多額の医療費負担が発生すれば、高額療養費制度を活用することにより、実際の医療費の負担は定められた計算方式による一定額で済むことになります。
また、風邪を引いた、虫歯になった等々の日常的な病気やケガであれば、社会保険や国民健康保険制度などの公的保険を活用することにより、実際の医療費の3割負担(年齢によって異なるケースあり)で済んでいます。
地方自治体により年齢は異なりますが、6歳までは医療費が無料というところもあるでしょう。これまで、大病を患っていないにもかかわらず、歳を重ねるほど医療費の心配をするのは「かける医療費」の負担が莫大になることがあるからです。
医療費には「かかる医療費」と「かける医療費」があることを理解しておく必要があるのです。かかる医療費とは、公的健康保険が適用される範囲内の治療費(「保険診療」という)になります。私たちが病気やケガなどの日常的な病気で病院にかかった場合、通常3割の負担をする際の金額のことを指しています。
これに対して「かける医療費」とは、自分自身が望む治療を行うときなどに発生する保険診療の範疇外の負担になります。
入院した場合は相部屋の一般病棟はいやなので個室にして欲しい。遠くの名医と呼ばれる人に診てもらうための交通費(家族が付き添う金額も含む)。
保険が効かない自由診療を受ける、入院時の食事に選択メニューを加える等々、公的保険が適用されない支払いが増えるほど、医療費の負担はどんどん重くなってしまうのです。
大病を患ってしまうと、青天井のように医療費負担が増えると思われているのかもしれませんが、この「かける医療費」が実は医療費負担の多寡を左右しているのです。医療保険に入る、貯蓄をしっかり確保しておくことも大切ですが、万一大病を患った場合、どんな治療を望むのかを日頃から認識しておくこともリスクマネジメント(もしもに備える)においてはとても大切なことなのです。
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