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改正保険業法の各監督指針は保険代理店への信頼回復に好影響だが、「適切な比較推奨販売」を行わない代理店は潜在的な顧客流出リスクあり|保険ニュース

改正保険業法の各監督指針は保険代理店への信頼回復に好影響だが、「適切な比較推奨販売」を行わない代理店は潜在的な顧客流出リスクあり

~NTTデータ経営研究所が消費者意識調査を実施 改正保険業法に基づくガバナンス強化が保険代理店への信頼・満足度の向上に寄与する可能性が明らかに~

株式会社NTTデータ経営研究所(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:山口 重樹、以下、当社)は、NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:稲葉 秀司)が提供する「NTTコム リサーチ」登録モニターを対象に「保険業法改正に伴う消費者意識の変化と保険代理店チャネルにもたらす影響調査」(以下、本調査)を実施しました。

本調査は、2025年5月に成立した改正保険業法に関連し、金融庁が公表した「保険会社向けの総合的な監督指針」のうち、一般消費者に影響が大きい4項目(①保険代理店の体制整備強化、②保険会社による保険代理店の監督強化、③第三者機関による保険代理店業務品質評価制度の導入検討、④比較推奨販売の適正化)に焦点を当て、これらの施策が一般消費者の認識や行動にどのような影響を及ぼすかを明らかにすることを目的としています。
全国の20~60代の1,054人※を対象に調査を行った結果、改正保険業法は消費者の保険代理店への信頼向上に好影響を与える一方で、消費者属性によってその認識や期待に差があることが明らかとなりました。
※本調査では、回答者が保険業界の知識を有していないことを前提とし、回答前にアンケート画面上で保険業法改正のポイントを解説



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改正保険業法において消費者への影響が大きい4項目について調査を実施




【主なポイント】


4人に3人以上が「保険代理店の体制整備強化」「保険会社による保険代理店の監督強化」「第三者機関による代理店業務品質評価制度の導入」により、保険代理店への信頼が高まると回答
比較推奨販売の適正化は消費者満足度向上に繋がる一方、不適切な対応は代理店の顧客流出リスクに直結する可能性
現状、消費者は「保険商品の種類や仕組み」の理解に難しさを感じており、営業担当者には「説明のわかりやすさ」を重視


【調査詳細レポート】はこちらからご覧いただけます:
https://www.nttdata-strategy.com/knowledge/ncom-survey/251121/


【背景】
保険業界では、2023年に発覚した中古車販売大手企業による保険金の不正請求や、大手損害保険4社による価格調整問題など不正が相次いでいます。
これを受け、金融庁は保険会社および保険代理店各社に対し、抜本的な体制・体質改善を求めており、その取り組みの一環として2026年には約10年ぶりとなる保険業法の改正が予定されています。また、金融庁は2025年5月に成立した「改正保険業法」(公布日から1年以内に施行予定)に関連して、具体的な運用指針である「保険会社向けの総合的な監督指針」※1の改正案を同月に公表しました。

本調査では、同指針のうち一般消費者への影響が特に大きいと考えられる4項目に焦点を当て、消費者の認識や意向について、調査アンケートを実施しました。
※1…金融庁「保険会社向けの総合的な監督指針」(2025年9月26日改正)

【主な調査結果】

1. 4人に3人以上が「保険代理店の体制整備強化」「保険会社による保険代理店の監督強化」「第三者機関による代理店業務品質評価制度の導入」により、保険代理店への信頼が高まると回答

改正保険業法により、複数の保険会社の商品を扱う大手保険代理店には、法令遵守責任者の設置や苦情対応体制などの体制整備強化(以下、体制整備強化)、また保険代理店が顧客に対して不適切な業務を行わないよう、保険会社による代理店の監督強化(以下、監督強化)が義務付けられます。
さらに第三者機関による保険代理店業務品質評価制度(以下、第三者評価制度)の導入も検討されています。これらの取り組みが消費者の保険代理店に対する信頼向上につながるかについて、回答者全員(n=1,054)を対象に調査を実施しました。

その結果、「体制整備強化」では77.7%、「監督強化」では77.1%、「第三者評価制度」は78.6%の消費者が「非常にそう思う」または「ややそう思う」と回答しました。4人に3人以上が信頼向上につながると感じており、いずれの取り組みも消費者の信頼醸成に寄与する可能性が高いことが確認されました(図表1)。




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【図表1】「体制整備強化」「監督強化」「第三者評価制度」により、保険代理店への信頼が高まるか(SA)







2. 比較推奨販売の適正化は、消費者満足度向上に繋がる一方、不適切な対応は代理店の既存顧客流出リスクに直結する可能性

改正保険業法に関連して、保険代理店が複数の商品を比較し、顧客に最も適した保険を提案する「比較推奨販売」の適正化が検討されています。回答者全員(n=1,054)を対象に、過去に保険加入を検討した際、「他社商品も比較したかったのに、特定の保険会社の商品しか提案されず不満だった」経験の有無を確認しました。
その結果、19.2%が「ある」と回答し、一定数の消費者が提案内容の偏りに不満を抱いている実態が明らかになりました。

また、「比較推奨販売によって、現在加入している保険よりも自分に合う他社商品を提案された場合、乗り換えたいと思うか」を尋ねたところ、78.0%が「非常にそう思う」または「ややそう思う」と回答しました。
特に、不満経験がある層(n=202)では80.7%が乗り換え意向を示し、不満経験がない層(n=852)の64.9%を約15ポイント上回りました(図表2)。

これらの結果から、改正保険業法の監督指針に則り保険代理店が消費者本位(顧客本位)の商品比較実施をすることが顧客の満足度に直結することが分かりました。一方で、不適切な商品比較は代理店の既存顧客流出リスクに直結する可能性が示唆されました。適切な比較推奨が促進されることで、今後は保険市場の流動化が進むと予想されます。




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【図表2】比較推奨販売により、自身に合う他社保険商品を保険代理店で提案してもらえるならば、
現在の加入している保険を乗り換えたいと思うか[不満経験の有無別](SA)






3. 現状、消費者は「保険商品の種類や仕組み」の理解に難しさを感じており、営業担当者には「説明のわかりやすさ」を重視

比較推奨販売の適正化などにより保険市場の流動化が予想される中、今後の保険代理店の体制整備強化を検討する上では、営業担当者に対する消費者の期待や信頼の実態を把握することが重要です。そこで、回答者全員(n=1,054)を対象に「保険加入を検討する際に、営業担当者に最も重視していること」を確認しました。

その結果、最も多かったのは「商品の内容をわかりやすく説明してくれること」(43.9%)でした。この傾向は他の設問結果とも一致しており、直近の保険加入検討時における営業担当者に対する満足度でも「商品をわかりやすく説明してくれる」が最多であり、また保険を検討する際に最も難しいと感じる点としても「商品の種類や仕組み」が最も多かったことから、消費者が「説明のわかりやすさ」を重視していることが改めて確認されました。



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【図表3】保険加入を検討する際、保険の営業担当者に対して求めるもののうち、最も重視すること(SA)






【調査担当者コメント】
■NTTデータ経営研究所 ソーシャル・デジタル戦略ユニット シニアコンサルタント 田内 大輝

本調査で最も印象的だったのは、大多数の消費者が業法改正後の保険代理店に対して「信頼したい」という意向を示している点です。「代理店の体制整備強化」、「保険会社による代理店への監督強化」、「第三者評価制度」のいずれも、4人に3人以上が「信頼が高まる」と回答しており、信頼できる「ガバナンス体制」さえ整えば、消費者は保険代理店を積極的に活用したいと考えていることがわかります。

一方、約8割が「適切な比較提案があれば保険を乗り換えたい」と回答しており、現状の提案に満足していない消費者も少なくありません。これは、消費者の期待と提案内容にギャップがある提案を行う代理店は顧客流出のリスクを潜在的に抱えているということを意味します。また、多くの消費者が「商品の種類や仕組みがわかりにくい」と感じており、営業担当者に求めるものとして「説明のわかりやすさ」が最も重視されていることも明らかになりました。

これらの結果は、私自身が大手損害保険会社での現場経験や各保険会社へのコンサルティング業務を通じて得た実感とも一致します。顧客が保険商品・サービス選択時に重視するのは「自分で理解し、自分で選んだ」という納得感であり、それを支えるのが営業担当者のわかりやすい説明力と質の高い比較提案です。

今後、比較推奨販売の適正化等の代理店の取り組みを通じて保険市場の流動化が予想されます。こうした環境下では、保険会社と保険代理店が顧客との長期的な信頼関係を構築することがより求められます。そのためには、消費者が納得感をもって保険を選べる環境を整えること、そして一人ひとりの営業担当者が顧客意向を深く理解したうえで提案を実施することが不可欠です。社内ルールの整備やシステム・ツールの導入も、その一環として重要になります。
保険会社と保険代理店は、制度対応を単なるコンプライアンス対応で終わらせず、「顧客本位の経営」への転換点とできるか。それが次の競争優位を左右する鍵となると考えます。


【調査概要】

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【関連リンク】


保険視点でのZ世代×デジタル戦略の有効性調査(2024年度調査):https://www.nttdata-strategy.com/knowledge/ncom-survey/241016/
NTTデータ経営研究所:https://www.nttdata-strategy.com/


【NTTデータ経営研究所について】


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NTTデータ経営研究所は、1991年の設立以来、サステナビリティやヘルスケア、地方創生といった様々な領域の社会課題の解決や、企業変革の支援に向けたコンサルティングを行っています。政策や戦略の立案からプロジェクトの実行支援、新規事業の開発から実証までを一気通貫でお客様に伴走し、持続可能な成長と変革を支援します。NTTデータグループの戦略コンサルティングファームとして、多岐にわたる専門性により業界・組織を超えた連携を作り出し、未来への道筋を照らすことでお客様とともに新たな価値の創造に取り組んでいます。




<調査データについて>


回答者の属性は、回答者のアンケート上の自己申告に基づいています。
回答の構成比は、小数第2位を四捨五入しているため、各構成比の合計は100%にならない場合があります。

<調査結果の利用について>


本調査は、株式会社NTTデータ経営研究所とNTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社が共同で行っており、本調査結果の著作権は、株式会社NTTデータ経営研究所とNTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社が保有します。
調査結果の一部を転載・引用される場合は、出所として「NTTデータ経営研究所/NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション」または「NTTデータ経営研究所/NTTコム リサーチ」と併記した上で、掲載日・掲載媒体・引用箇所などの情報につきましてはブランド推進担当までお知らせください。
調査結果について、出所を明記せずに転載・引用を行うこと、データの一部または全部を改変することなどの行為はご遠慮ください。
本アンケート調査の生データは提供いたしかねます。



本件に関するお問合わせ先
株式会社NTTデータ経営研究所 コンサルティングサポート部 ブランド推進担当
Tel:03-5213-4016  E-mail:webmaster@nttdata-strategy.com

関連リンク
保険視点でのZ世代×デジタル戦略の有効性調査(2024年度調査)
https://www.nttdata-strategy.com/knowledge/ncom-survey/251121/
NTTデータ経営研究所
https://www.nttdata-strategy.com/

記事提供: Digital PR Platform

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