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通いの場への参加が介護予防へ繋がる!―参加回数が多いほど要介護リスクが低く、体操に加えお茶や交流で幸福感高い―|保険ニュース

通いの場への参加が介護予防へ繋がる!―参加回数が多いほど要介護リスクが低く、体操に加えお茶や交流で幸福感高い―


 千葉大学予防医学センターの井手 一茂特任准教授、近藤 克則特任教授、中込 敦士准教授、日本福祉大学の渡邉 良太客員研究所員、斉藤 雅茂教授らの研究チームは、兵庫県西脇市の65歳以上の高齢者を1年間追跡調査して取得したデータと、通いの場(注1)の参加者名簿から作成したデータを用いて、通いの場への参加状況(回数、種類)とその後の要介護リスク(注2)や幸福感(注3)の関連を検証しました。その結果、通いの場への参加回数が多ければ多いほど要介護リスクが低く、月1回程度定期的に交流プログラムを実施している通いの場では、参加者の幸福感が高くなっていました。今回の研究成果は、自治体が通いの場をはじめとする介護予防施策をPDCAサイクルに沿って進めるための一助となります。
 本研究成果は、2026年4月18日に、学術誌Discover Social Science and Healthで公開されました。  
 (論文はこちら:10.1007/s44155-026-00407-5)
[画像: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/15177/1186/15177-1186-a00fe987c10daa4bfbd3ab5d0e335ddb-953x603.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
図:通いの場参加と要介護リスク・幸福感についての研究概要


■研究の背景 
 急速な高齢化に直面する現代社会において、高齢者の「機能的な自立」の維持と「主観的な幸福度」の向上を両立させることは、健康な高齢化(Healthy Aging)を促進する上で不可欠です。日本政府は、「通いの場」を主要な介護予防施策として推進しており、その数は全国的に拡大しています。これまでの研究で、通いの場への参加者において健康寿命喪失リスクが低いことはわかっていましたが(参考文献)、参加回数や開催内容との関係や、通いの場への参加と参加者の幸福感の関連はこれまで報告されていませんでした。そこで本研究では、65 歳以上の高齢者1,108人に対する2回のアンケート調査(2022年12月、2023年12月)とチェックインシステムで作成した参加者名簿(2023年9~11月)を用いて、通いの場への参加状況(回数、種類)とその後の要介護リスクや幸福感の関連を検証しました。

■研究成果のポイント
1) 継続的な参加がもたらす高い健康・幸福効果:月1回以上「通いの場」に参加している高齢者は、非参加者に比べて要介護リスクが有意に低く、幸福感が有意に高いことが確認された。
2) 参加頻度と効果の関係:参加回数が多いほど効果は顕著になり、特に月7回以上の高頻度参加は、将来の要介護リスクを大幅に低下させ、幸福感を高める傾向があることが示された。
3) 活動内容による効果の違い:体操中心のプログラムは主に身体機能の維持(要介護リスク低下)に寄与する一方、「体操にお茶・交流を組み合わせたプログラム」は、幸福感の向上に最も強く関連していた。

■今後の展望
 本研究成果は、自治体が通いの場をはじめとする介護予防事業を進めるにあたり、チェックインシステムによる客観的な出席記録と、機能障害予測スコアや幸福度といった早期指標を組み合わせることで、効率的な高齢者支援が可能になると考えています。今後は、より長期の追跡や自治体が評価に取り組やすい仕組みづくりを進めていきたいと思います。

■用語解説
注1)通いの場:高齢者や地域住民が主体となり、介護予防や加齢による体力・気力の低下を防ぐ「フレイル予防」などを目的として定期的に集い、交流や活動を行う場。
注2)要介護リスク:本研究では要支援・要介護リスク評価尺度点数を要介護リスクの評価に活用。この点数は、高齢者の生活状況や健康状態の把握、地域課題の特定を目的に実施する介護予防・日常生活圏域ニーズ調査の必須項目10 問(バスや電車を使って一人で外出していないか、自分で食品・日用品の買い物をしていないかなど)、性・年齢を合わせた計12項目から構成。合計48点満点で、高得点であるほど3年以内の要支援要介護認定の発生が高くなる。
注3)幸福感:介護予防・日常生活圏域ニーズ調査に準じ、「あなたは、現在どの程度幸せですか(「とても不幸」を0点、「とても幸せ」を10点として、ご記入ください)」で高齢者の主観的な幸福感を評価。

■論文情報
タイトル:Community gathering places participation and later functional disability and happiness among older adults in Japan
著者:Kazushige Ide, Ryota Watanabe, Masashige Saito, Kenjiro Kawaguchi, Kiyomi Matsumura, Katsunori Kondo, Atsushi Nakagomi
雑誌名:Discover Social Science and Health
DOI:10.1007/s44155-026-00407-5

■参考文献
タイトル:Heterogeneity in the associations of community gathering place participation with healthy ageing
雑誌名:Archives of Gerontology and Geriatrics
DOI:10.1016/j.archger.2025.106060

■研究プロジェクトについて
 本研究は、トーテックアメニティからの共同研究費、国立研究開発法人科学技術振興機構(JPMJOP1831)、JSPS 科研費(23H00060、25K16857)、鹿島学術振興財団からの研究助成を受け実施しました。日本福祉大学は国立研究開発法人科学技術振興機構の産学共創プラットフォーム共同研究推進プログラム(OPERA)「ゼロ次予防戦略による Well Active Communityのデザイン・評価技術の創出と社会実装(JPMJOP1831)」に共同研究機関として参画していました。

プレスリリース提供:PR TIMES

記事提供: PR TIMES

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