長崎・新上五島町で介護DXの本実証が始動｜保険ニュース

介護・医療現場の抜本的改善へ──「通院介助削減」に向けた新たな一歩


MUSVI株式会社（本社：東京都品川区、代表取締役 / Founder & CEO：阪井祐介、以下「MUSVI」）を代表機関として、パラマウントベッド株式会社（本社：東京都江東区、代表取締役 社長執行役員：木村友彦）、芙蓉開発株式会社（福岡県福岡市、代表取締役：野中 美和）、みずほリサーチ＆テクノロジーズ株式会社（本社: 東京都千代田区、代表取締役社長: 吉原 昌利）の4社によるコンソーシアムは、日本医療研究開発機構（AMED）の「介護DXを利用した抜本的現場改善事業」（以下「本事業」）に採択され、長崎県新上五島町にて本格的な実証研究を開始しました。


本事業では、上五島内の特別養護老人ホーム 福見の園（介護施設）と、上五島病院・奈良尾医療センター（医療機関）を実証フィールドとし、ICTを活用し、通院介助にかかる現場負担を軽減する新たなケアモデルを構築します。

■背景と目的
医療資源が限られている離島・過疎地域において、介護施設の「通院介助」は職員の大きな負担となっています。特に今回の実証フィールドでは、移動時間・準備時間・待機時間を含めると、1回あたりの介助で平均3～4時間程度を要しています。また、施設入所者にとっても通院は身体的・心理的に大きな負荷を伴います。
本事業では、パラマウントベッド社の「眠りCONNECT」等の見守りセンサー群と、芙蓉開発社のAI/ICT健康管理システム「安診ネット カイゴDX」、そしてMUSVIのテレプレゼンスシステムを組み合わせた「眠りCONNECTコミュニケーションパッケージ」を用い、診療情報の可視化と対面同等のリアルな遠隔問診・診療を実現しました。通院に伴う負荷の最小化と医療・介護の新しい連携モデルの構築、を目的としています。

■実証フィールドと体制
実施地域：長崎県新上五島町（離島・高齢化率44.6％）
介護施設：特別養護老人ホーム 福見の園（定員40名）
医療機関：上五島病院・奈良尾医療センター
研究体制：
　- 代表機関：MUSVI株式会社
　- 分担機関：パラマウントベッド株式会社／芙蓉開発株式会社
　- 研究協力機関：みずほリサーチ＆テクノロジーズ株式会社

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福見の園　
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上五島病院

■12月4日より本実証が開始
2025年秋より準備調査（プレ調査）を行い、12月4日からは本実証フェーズに移行しました。今後は、対象となるオンライン診療・通院介助ケースのタイムスタディ調査、職員や施設入所者の満足度アンケート、医療従事者の評価ヒアリングなどを通じて、通院介助の効率化とQOL向上に寄与する可能性を検証してまいります。
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　上五島病院と接続（福見の園より約21km）　　
[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/97219/35/97219-35-7db421947badb7d3e2ec5c67bf361d07-599x449.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
　奈良尾医療センターと接続（福見の園より約5km)　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
■目指す未来：通院に依存しない「介護×医療」連携のかたち
この取り組みは単なる効率化ではなく、施設入所者のQOL向上と、職員の働きがい向上の両立を目指す介護DXの新モデルです。将来的には、看取り期の見守りや、遠隔医療デバイスとの連携、オンライン服薬指導との統合など、高齢化が進む地域社会全体における “持続可能な医療・介護連携の実現”に貢献してまいります。

【各関係者コメント】
■福見の園　理事長　大角 洋一
今回のような先駆的な取り組みに参画できることを大変光栄に感じております。オンライン診療や見守り技術の活用により、ご利用者が安心して必要な医療を受けられる環境の構築を進めるとともに、職員がより本質的なケアに時間を割ける体制の実現を期待しています。地域の医療・介護の未来を切り拓く一助となるよう、関係者の皆さまと共に取り組んでまいります。

■上五島病院　病院長　一宮 邦訓
離島における医療資源の限界は長年の課題でした。この取り組みによって、医療と介護の連携を新たなステージに進め、より良い地域包括ケアシステムの構築につなげていきたいと考えています。

■MUSVI株式会社　代表取締役 / Founder & CEO 阪井 祐介
離れていてもリアルに人と出会い温かさを感じられるテレプレゼンスシステムを通じて、現場の課題や声に丁寧に耳を傾けながら、私たちが提供できる価値を活かして医療・介護のDXに貢献してまいります。コンソーシアム各社および実証フィールドの皆さまと連携し、現場起点の変革を共に進めていきたいと考えています。

■パラマウントベッド株式会社　経営企画本部　執行役員　伊藤　秀明
見守りセンサー等の可能性を広げるだけでなく、医療資源が限られた地域にある高齢者施設でも入居者の方々が対面診療に近い環境で受診できることを目指した取り組みであり、実際の介護現場での業務効率化につながる結果を残したいと考えています。

■芙蓉開発株式会社　事業本部長　前田　俊輔
対面診療にも劣らない、各種データを用いたオンライン診療により、医療格差が是正されるモデルケースになることを期待しております。

■みずほリサーチ＆テクノロジーズ株式会社　社会政策コンサルティング部 ヘルスケア・共生社会共創チーム 第2課課長　片岡 千鶴
深刻化する高齢社会の課題解決に向けて、本実証で得られたデータから費用対効果や導入指針などを見える化し、他地域への展開可能性を高めていきます。

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