【国内初】出産後の深刻な後遺症「総排泄腔様変形」に対し、人工肛門造設が不要な新治療法「会陰体再建術」の有効性を確認　長岡京病院の研究、国際誌「Surgery Today」に掲載｜保険ニュース

株式会社セントラルメディエンス（本社：東京都港区、代表取締役:中川隆太郎、以下「当社」）の提携医療機関である、医療法人総心会 長岡京病院（所在地：京都府長岡京市、理事長：水黒知行）の外科チームが、経腟分娩後に発生する極めて稀な最重度会陰損傷「総排泄腔様変形」に対する治療経験をまとめた研究論文が国際的な英文誌『Surgery Today』に掲載されましたのでお知らせいたします。

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本研究は、人工肛門を造設せずに一期的に修復する「会陰体再建術」を適用し、良好な治療成績が得られたことを報告するものです。複数症例（7症例）の治療成功例の報告は国内で初めてであり、国際的にも希少な知見として、今後の治療プロトコル確立に貢献することが期待されます。


【研究の背景】
総排泄腔様変形とは
総排泄腔様変形は、経膣分娩時に会陰部が重度に損傷し、膣と肛門の境界が完全に失われて一つの開口部となってしまう極めて稀な産科合併症です。この状態では、便失禁、慢性的な膣の細菌感染、性生活への支障など、患者様の生活の質（QOL）に深刻な影響を及ぼします。


これまでの課題
日本国内では症例報告が散発的にあるのみで、体系的な治療プロトコルが確立されていませんでした。そのため、全国から当院を受診される患者様の中にも、すでに他の医療機関で「治療不可能」と告げられたり、人工肛門の造設を伴う治療が選択されたといったケースも複数ありました。当院外科は広く本疾患の経験を周知し、多くの患者様が適切な治療を受けられるよう働きかけたいと考え本研究を上梓しました。

【研究の内容】
本研究では、2022年6月から2024年9月の期間に当院で治療を受けた総排泄腔様変形の患者様を対象に、会陰体再建術の治療成績を評価しました。
当院では、人工肛門を造設せずに一期的に会陰部を再建する手術を実施し、良好な成績が得られたことを報告しています。

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【本研究の意義】
本研究により、この稀な病態に対して人工肛門を造設しない治療法の可能性が示されました。これまで「治療不可能」と言われていた患者様にも、専門的な外科治療によって生活の質を回復できる可能性があります。今後、より多くの症例を含む研究や長期的な経過観察により、この治療法の有効性がさらに検証されることが期待されます。


医療機関の皆様へ
この病態は極めて稀ですが、類似症例にご遭遇された際は、専門的な治療が可能な施設への紹介をご検討いただければ幸いです。


患者様・ご家族の皆様へ
経膣分娩後の重度会陰損傷でお悩みの方は、専門医療機関での相談をお勧めいたします。



【掲載論文情報】
論文タイトル（英語）：
"Perineal Body Reconstruction Surgery for Cloaca-like Deformity Following Vaginal Delivery: A Case Series of Seven Patients"
著者：
村上耕一郎¹、西村有美²、水黒知行¹
¹医療法人総心会 長岡京病院 外科
²滋賀医科大学 外科学講座
掲載誌：
Surgery Today（日本外科学会英文誌）
Surg Today (2025).
https://doi.org/10.1007/s00595-025-03193-w

掲載日： 2025年11月21日



【本件に関するお問い合わせ先】
医療法人総心会 長岡京病院
〒617-0824 京都府長岡京市天神1-20-10
TEL: 075-955-1151
FAX: 075-955-4941
担当医師： 外科 村上耕一郎（むらかみ こういちろう）
Email: nagaokakyohp-mura@athena.ocn.ne.jp



【用語解説】
総排泄腔様変形
経膣分娩時の重度損傷により、膣と肛門の境界が完全に失われて一つの開口部となる状態。

会陰体
膣と肛門の間にある組織構造で、骨盤底を支える重要な解剖学的構造。

直腸膣瘻
直腸と膣の間に異常な交通路（穴）ができる状態。




〈長岡京病院について〉
当院は、1980年の開設以降、「ひとりひとりのいのちに安心と笑顔を」という理念の下、地域に密着した医療提供をしてまいりました。風邪・インフルエンザ・日常的な外傷や肛門手術など発症頻度の高い疾患、糖尿病・生活習慣病のみならず、パーキンソン病・脊髄小脳変性症などの神経難病や会陰裂傷後の診療にも注力して診療に当たっております。特に会陰裂傷に伴う直腸膣瘻の手術は全国で高い症例実績があり、全国各地から患者様が来院されております。


〈医療法人 総心会 長岡京病院〉
所 在 地：京都府長岡京市天神1丁目20-10
診療科目：内科・脳神経内科・循環器内科・糖尿病内科・外科・消化器外科・肛門外科・リハビリテーション科・放射線科
病 床 数：一般病床 97床
U R L：https://www.nagaokakyo-hospital.or.jp/

●当院では事業拡大に伴い、現在下記の職種の募集をしております。
https://www.nagaokakyo-hospital.or.jp/recruit/




〈株式会社セントラルメディエンスについて〉
株式会社セントラルメディエンスは、2018年創業。経営理念「革新的な医療サービスの創造」、ミッション「医療サービスで健康価値の向上に寄与し社会に貢献していく。Cure（治癒・治療）中心の医療サービスから、ヘルスケア中心の予防医療サービスの推進」のもと、医療機関の「最適化」を医療従事者とともに追求し、その変革に向けたメディカルサポート、メディカルキャリア、メディカルマーケティングを中心としたソリューションの提供を行っています。医療ニーズにおける社会的価値のあるサービスを創造・提供することで、医療を生活の中心とした「革新的な医療サービスの創造」というビジョンの実現を目指します。




〈株式会社セントラルメディエンス 会社概要〉
社　名：株式会社 セントラルメディエンス
所在地：東京都港区虎ノ門2-10-1 虎ノ門ツインビルディング EAST棟8階
代表取締役：中川 隆太郎
URL：セントラルメディエンス：https://centralmedience.com/

プレスリリース提供：PR TIMES

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