岸田文雄総理は現行の健康保険証の廃止時期について、20日の衆院本会議で立憲民主党の鎌田さゆり議員が廃止延期を強く求めたのに答え「廃止は国民の不安払しょくのための措置が完了することが大前提との方針にのっとり、紐づけの総点検とその後の修正作業の状況も見定めたうえで、更なる期間が必要と判断される場合には必要な対応を行っていく」とこれまでの答弁を繰り返した。
岸田総理は「国民の不安払しょくの措置が完了することを大前提とする」としながらも、廃止予定時期を先送りすることには触れず。来年秋に現行の健康保険証を廃止する考えだ。
岸田総理はこの日の答弁で、マイナンバーカードと健康保険証を一本化する「マイナ保険証」について「マイナ保険証は医療制度を進めるうえで基盤になる仕組みだ」とアピールし「マイナ保険証の利用件数は9月、10月と再び増加傾向になっており、今般の補正予算案ではマイナ保険証利用促進のための医療機関等への支援に必要な予算を計上した。まずは一度、国民の皆さんにマイナ保険証を使っていただき、質の高い医療などメリットを感じていただけるよう、医療機関や保険者とも連携して取組みを積極的に行っていく。そのうえで、現行の健康保険証の廃止は国民の不安払しょくのための措置が完了することが大前提との方針にのっとり、紐づけの総点検とその後の修正作業の状況も見定めたうえで、更なる期間が必要と判断される場合には必要な対応を行っていく」と廃止延期の道も残した。
マイナ保険証の利用は8月の利用率4.67%と5%にも届いていない。また、そもそもマイナンバーカードが国民の自主的判断による「任意」のカード。「任意のカードに健康保険証を紐づけ、現行の健康保険証を来年秋に廃止する政策そのものがおかしい」との声は多くあがっている。(編集担当:森高龍二)
記事提供: エコノミックニュース