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社会保険料はなぜ上がるのか。手取りを削る「現役世代の負担」|保険ニュース

社会保険料はなぜ上がるのか。手取りを削る「現役世代の負担」

今回のニュースのポイント

・「リスクを分かち合う」公共の盾:社会保険は、病気、老後、介護、失業といった人生のリスクに対し、加入者が保険料を出し合って備える仕組みで、原則として全員が加入します。民間保険と異なり、所得や健康状態にかかわらず一定の給付を保障し、生活のセーフティネットとして機能します。

・自分の積立ではなく「今の高齢者」を支える:日本の社会保険制度は、現役世代が納める保険料がそのまま現在の高齢者の年金や医療費に充てられる「世代間扶養」の性格が強いのが特徴です。高齢者人口が増え続ける中、限られた現役世代でこの巨大な給付を支える構造が、保険料上昇の背景にあります。

・「手取り」への影響と将来の課題:協会けんぽ等の標準報酬月額が上がるごとに、健康保険や厚生年金などの自己負担も段階的に増加します。名目年収が大きく伸びていない世帯では、保険料率の引き上げなどの影響で、可処分所得がじわじわと圧迫されてきたと指摘されています。

 給与明細を見て、所得税や住民税よりも「社会保険料」の控除額が大きいことに驚いたことはないでしょうか。社会保険料は、みんなでお金を出し合い、病気・老後・介護・失業など人生のリスクに備えるための仕組みですが、その実態は現役世代の負担がそのまま高齢世代の給付を支える「世代間扶養」の構造になっています。

 政府推計では、2025年度の社会保障給付費(年金・医療・介護など)は約140兆円、対GDP比でおよそ22%前後に達すると見込まれています。この巨大な財源は、私たちが支払う保険料と税金、そして窓口での自己負担で賄われています。問題は、支え手である現役世代が減り続ける一方で、給付を受ける高齢世代が増え続ける点にあります。

 会社員が負担する主な保険料は、医療を支える「健康保険」、老後や障害に備える「厚生年金」、40歳以上が対象の「介護保険」などです。これらは給与額に応じた「標準報酬月額」に基づき計算され、基本的には会社と従業員で半分ずつ負担(労使折半)します。しかし、例えば協会けんぽの標準報酬月額が24万円から28万円に上がるケースを想定すると、健康保険・厚生年金・雇用保険などの自己負担合計は月あたりおおよそ5,000円台増える試算となり、昇給による手取りの増加分を目減りさせます。

 実際に、名目上の年収が大きく伸びていない世帯では、保険料率の段階的な引き上げなどの影響で、可処分所得がじわじわと圧迫されてきたと指摘されています。政府や研究機関の推計では、今後20年前後で社会保障給付費が対GDP比で24%前後まで拡大するシナリオも示されており、給付水準や負担の在り方を見直す必要性について、今後一層、政治的な議論と選択が迫られる局面が続くとみられます。

 「社会保険料で手取りが減る時代」を前提にするならば、個人としては制度に頼るだけでなく、NISAやiDeCoといった税制優遇制度を賢く活用した自助努力を組み合わせることが、将来の不安を和らげる現実的な選択肢となります。

 社会保険は、私たちが安心して暮らすための重要なインフラですが、その維持コストはかつてないほど重くなっています。この仕組みが誰の何を支えているのかを正しく理解し、自らのマネープランをアップデートしていくことこそ、不透明な時代を生き抜くための不可欠な基礎知識となっていきます。(編集担当:エコノミックニュース編集部)

記事提供: エコノミックニュース

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