日本生活協同組合連合会(略称:日本生協連、代表理事会長:新井ちとせ)は、日本医療福祉生活協同組合連合会(略称:医療福祉生協連、会長理事:高橋淳)、一般社団法人全国コープ福祉事業連帯機構(略称:コープ福祉機構、代表理事:森政広、多村孝子)とともに、本日、2027年介護保険制度改定への意見表明となる「生協のアピール(提言)」を発表します。
全国の生協は「
日本の生協の2030年ビジョン」を策定し、「安心してくらし続けられる地域社会」を目標に位置付けました。その実現のため、生協と協同組合のつながりに加え、行政・諸団体・事業者・個人など、人と人とのつながりから生まれる力を活かした取り組みを展開してきました。2027年の介護保険制度改定にあたり、地域住民・高齢者が安心して暮らすために、地域のしくみづくりのうえで、介護保険制度が持続可能な制度となるよう、3つの重点テーマで「生協のアピール(提言)」を公表します。
2027年介護保険制度改定への「生協のアピール(提言)」の3つの重点テーマ
1.地域住民・高齢者が安心して暮らせる地域のしくみづくりを
2.持続可能な介護保険制度と介護報酬の大幅アップ、介護職員の処遇改善を
3.介護給付抑制と利用者負担増加については慎重な検討を
意見のポイント
〇地域住民・高齢者が安心して暮らせる地域のしくみづくりを
多くの高齢者にとって大きな願いとなる、住み慣れた地域で安心してくらし続けるという思いに応えるため、地域住民による「互助」や生活支援サービスを展開する事業者ネットワーク構築が必要と考えます。その上で、介護保険制度に基づく専門職による介護サービスを効果的に組み合わせることが重要と考えます。
〇持続可能な介護保険制度と介護報酬の大幅アップ、介護職員の処遇改善を
全産業平均の従業員の給与水準と比較して介護職員の給与水準は低い状況にあります。人材流出を止め、新たな介護人材の確保と定着を図るためには、介護報酬の大幅アップと介護職員へのさらなる処遇改善が必要です。2027年介護報酬改定を待たずに、緊急の介護報酬アップが必要となります。現行の介護報酬は3年ごとの改定であり、その間に発生する変化に対応する仕組みが整っていないため、物価上昇や最低賃金の改定に応じて、介護報酬を年次ベースで機動的に見直す「スライド制」の導入が必要です。現行の介護保険制度における財源構成は、国民負担が重くなりすぎているという深刻な課題を抱えており、今後の制度の持続可能性を確保するためには、税財源の負担割合を増加させるなど、財源構成のあり方を見直す検討に入る必要があります。
また、在宅介護サービスの切り札に位置付けられた地域密着型サービスの普及状況は低調であり、拡充に向けた抜本的な施策強化が必要です。
〇介護給付抑制と利用者負担増加については慎重な検討を
要介護者となると、医療と比較して介護サービスの方が日常的、長期的に使い続けることとなります。したがって、医療費の自己負担額と同列に扱うのは妥当ではありません。また、利用者負担増加は、利用控えにつながる恐れがあり、結果的に重度化を招き介護保険財政の負担が増加する恐れもあります。ケアプランは、利用者の状態像や生活歴、ニーズに基づいて作成されます。利用者負担を導入した場合、利用者の尊厳保持や自立支援からはずれたケアプランが作成される懸念があります。現行の利用者負担無しの制度設定の維持が妥当です。
2027年介護保険制度改定にあたっての「生協のアピール(提言)」全文はこちらをごらんください。
https://jccu.coop/info/up_item/release_20251113_01_02.pdfプレスリリース提供:PR TIMES
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