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デング熱とデング出血熱|診査と査定の現場から|牧野 安博

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デング熱とデング出血熱

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海外ではエボラ出血熱、国内ではデング熱と感染症のアウトブレイクがありますが、これがパンデミックにならないように祈るばかりです。地球の温暖化と海外旅行者数の増加がもたらしたものとも言えますね。空港や港湾での感染症の予防対策を厳密にやらないといけない時代になったということです。 

疾患概念・原因
 デング熱(dengue fever)とは、ネッタイシマカやヒトスジシマカなどの蚊によって媒介されるデングウイルスによる感染症です。デングウイルスは、フラビウイルス科に属し、4種の血清型(1型、2型、3型、4型)が存在します。非致死性の熱性疾患であるデング熱と、重症型のデング出血熱やデングショック症候群の2つの病態があることが知られています。デング熱は、ヒト→蚊→ヒトの感染環を形成するが、ウイルスの増幅動物は知られていません。

疫学・症状・経過
 デング熱が見られるのは、熱帯・亜熱帯地域、特に東南アジア、南アジア、中南米、カリブ海諸国ですが、日本では過去に輸入症例の報告がありました。近年、地球温暖化の影響もあり日本国内発生が懸念されていました。デング熱の潜伏期間は、通常2~7日で、その後38~40℃の発熱、激しい頭痛、関節炎、筋肉痛、発疹がみられます。発症して3〜4日後より胸部・体幹から始まる発疹が出現し、四肢・顔面へ広がります。これらの症状は1週間程度で消失し、通常、後遺症なく回復します。


 一方、デング出血熱は、デングウイルスの再感染時に発症します。たとえば4種の血清型があるデング熱の1型にかかった場合、1型に対しては終生免疫を獲得するが、 他の血清型に対する交叉防御免疫は数ヶ月で消失し、その後は他の型に感染しうるようになります。この再感染時にデング出血熱になる確率が高くなるため、血清型別も含めた診断が重要です。一部の患者において突然に、血漿漏出と出血傾向を主症状とするデング出血熱が起こります。重篤な症状は、発熱が終わり平熱に戻りかけたときに起こることが特徴的です。臨床症状としては、冷汗、四肢の冷感、点状出血、腹水・胸水、肝腫大、血小板減少などがみられます。血症漏出がさらに進行すると循環血液量不足からショック状態となります。これがデングショック症候群です。

検査・診断
 デング熱は、RT-PCR法によるデングウイルス遺伝子の検出により診断確定されます。また型特異プライマーを用いてウイルス遺伝子を検出すれば、型別診断ができます。デング熱は、日本の感染症法で「四類感染症」に指定されています。

治療・予後
 デング熱の治療は、デングウイルスに対する特有の薬がないため、対症療法となります。デング熱は予後が比較的良好な感染症です。しかしまれに患者の一部にデング出血熱を発症することがあり、その場合は適切な治療がなされないと、死亡する可能性もあります。
 

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